【グランフロント大阪】農民藝術概論|考える本。

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MUJI BOOKS

2021/12/19

グランフロント大阪MUJI BOOKSによる企画、考える本。

今回紹介する本の著者は、言わずと知れた文豪・宮沢賢治。代表作のあの詩についての問いを当てはめてみました。

 
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■農民藝術概論
2,200円(税込)
著者:宮沢 賢治 
出版社:八燿堂

詩のはじめの2,3行だけがあまりに多く知られていて、しばしこの詩の本質をミスリーディングしてしまっているのではないかと思う。
是非最後までこの詩を読んでみてはどうでしょう。
雨ニモマケズで知られる詩編が収められた「雨ニモマケズ手帖」が収められています。

そして本編は「農民藝術概論」
その時代は皆、農民だった。
賢治は1926年に自らの私塾で「農民こそ芸術を」と農民藝術概論を論じていた当時、農民の反応は冷ややかだったそうだ。
馴染みのない「芸術」と「農民」という二つの組み合わせは異質だったのだろう。
しかし、生活の場を表現の場として捉え、美意識をもって自らの労働と向き合う。
これは現代の私たちでも、全く色褪せず賢治からのメッセージとして読み解く事が出来ます。

 
〆

土に触れる自らの手と宇宙の胎動が直結する壮大なスケールで描かれた賢治によるこの至高の芸術論。
気候変動、地球温暖化、未知の感染症…分かりやすく全世界で同一の課題に直面した現代の私たちが読むべき一冊なのかもしれない。


『世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない』
—農民藝術概論 序論より


全体のひとつとしての私。
俯瞰的な思考力と主観的な美意識を…

うーむ、難しい話になりましたね。
次回もお楽しみに。
 
fu


無印良品 グランフロント大阪

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