こんにちは、無印良品イーアス春日井です。
本日もイーアス春日井 MUJIBOOKSスタッフが毎日お伝えしている
「今日のずっといい言葉」から、素敵な言葉をお届けしようと思います。
.....
二月は派手でない月です。
一日を終えてくつろげば、木がらしのひまにきこえるのは、
恥かしく懐しい自分のむかしの声です。
二月は過去をきく月だ、と私は思うのです。
『幸田文 季節の手帖』
著 幸田文
編 青木玉
.....
本書は、随筆の名手である幸田文さんの文章を編集したもの。
幸田文さんがこの文章を書いた時代と今では、季節に対するイメージも少しずつ変化しているような気もしますが、
描かれている季節に対するイメージは時折ぞくりとするほど克明です。
二月はイベントも多くなく、日数も少ないので派手でない月だというのも頷けます。
幸田文さんがこの文章を書いた時代は今ほど「バレンタイン」という文化も定着していなかったはずなので、尚更派手でない月であったのでしょう。
今回取り上げたこの文章の前に、「二月は声をきく月です」といった文章があります。
聞こえるのは、恥ずかしくも懐かしい自分の昔の声。
この文章を読んだとき、ぼくも同じような感覚を味わったことがあるかもしれない、と思いました。
たとえば、夜になって一息ついて、過去の自分のことを思いだす時間。
二月はきっと、一日で言うと「夜」なのだと思います。
ぼくはどうしても、昔の自分を思い出したり、振り返ったりするときに後悔ばかりをしてしまいます。
そんな後ろ向きな自分が嫌で、そうならない為になるべく忙しくして、余裕をなくす。
一息つく暇もないと後悔することすらできなくなる。振り返らなくてもすんでしまう。
ただ、そんなことを繰り返していれば、文字通りどんどん心を亡くしていってしまいます。
どれだけ後ろ向きでも、見つめなおすことが嫌になっても、
過去の自分と向き合うことは自分が安定するためには必要なのかもしれません。
自分の未熟さも自分の一部だと認めてあげること。
どんな自分だって、それは自分だから。切り捨てたりしないようにしたいです。
2023年もひと月が過ぎ、二月になりました。
寒い日が続きますが、どうかご自愛くださいませ。
当店で取り扱いのある書籍から MUJIBOOKSスタッフが見つけた、いい言葉を伝えています。
中央広場にて「今日のずっといい言葉」毎日更新しておりますので、ぜひご覧くださいませ。
ではまた次のおたよりで。
無印良品イーアス春日井