こんにちは、無印良品イーアス春日井です。
本日もイーアス春日井 MUJIBOOKSスタッフが毎日お伝えしている
「今日のずっといい言葉」から、素敵な言葉をお届けしようと思います。
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長かった一日が終わると、
沈黙のための時間が必要だった。
『すべての、白いものたちの』
著者 ハン・ガン
訳 斎藤真理子
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本書は、「白いもの」をテーマにした短編の詩集の集まり。
そんな説明の仕方も決して間違いではないのですが、
「詩集」という言葉で片づけるにはあまりに乱暴なような、とても繊細な作品です。
いくつかの白いものについて、短い文章がいくつも描かれていく。
この文章たちは繋がっていないようで繋がっていて、
うっすらと、白いもやの向こうに見えるように、
筆者のすがたやこころのようなものが映し出されていきます。
全ての文章にタイトルがついていて、雪や霜、うさぎや光など、白いものについて描かれていく。
その中で、今回のずっといい言葉に選んだ文章についていたタイトルは「沈黙」でした。
なぜ、白いものを挙げていく中で、「沈黙」を選んだのでしょうか。
黙って呼吸するときに吐く息の、白。
「そこに言葉がない」というところからまっさらな、白。
それとも、有名な映画のタイトルからとったのでしょうか。
どういう理由にせよ、色のないはずの単語に対して色をつけて、
そしてそれがなんだかしっくりくるのは不思議な心地よさがあります。
ぼくは、忙しい一日が終わると、どうしても落ち込んでしまうことが多いです。
忙しい時は何も考えず必死に頑張っていればいいですが、
それが終わって一息ついたとたんにいろいろな不安が襲ってきます。
あの時なんでこうしてしまったんだろう、なんていう後悔や反省。
明日は、一年後は、どうなっているんだろうという未来への不安。
きっと、からだには余裕が出来ても、頭はなかなか切り替えることが出来ずに、
忙しく考え続けてしまっているのだと思います。
そんな時に、ぼくもこのずっといい言葉のように「沈黙の為の時間」をとります。
空を見て、音楽を聴いて、深呼吸をして、ただ沈黙をする時間。
自分の心を整えて、からだを落ち着かせる、とっても静かな時間。
それはまさに、自分の人生の中の空「白」の時間。
この「白」の中に自分にとって大事なものがたくさん詰まっているように思います。
「白」と一口に言っても、その中に多くの種類があります。
それは全ての人が持っている個性のよう。
そして、全ての人がなんにでもなれる、ということを示しているようです。
どうか、自分の中の「白」を大切にしてあげてくださいね。
当店で取り扱いのある書籍から MUJIBOOKSスタッフが見つけた、いい言葉を伝えています。
中央広場にて「今日のずっといい言葉」毎日更新しておりますので、ぜひご覧くださいませ。
ではまた次のおたよりで。
無印良品イーアス春日井