こんにちは、無印良品イーアス春日井です。
本日もイーアス春日井 MUJIBOOKSスタッフが毎日お伝えしている
「今日のずっといい言葉」から、素敵な言葉をお届けしようと思います。
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私は天国を見ているうちに、
何とも言えず心が重く寂しい気持ちになりましたが、
この地獄を見ているうち、
だんだんと愉快になり晴々として来ました。
『夢の絵本 全世界子供大会への招待状』
著者 茂田井武
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本書は、「夢の絵本」というタイトル通り、なんだか不思議なお話です。
人の夢の話を聞いているような、ミステリアスでシュールな世界観。
しかし、随所で現実よりも真実味のあるような言葉が出てきたりして、
いつの間にか世界観に没頭してしまうような一冊です。
今回の「ずっといい言葉」もなんだか不思議な世界観。
主人公が旅をする中で、見た「天国と地獄」について記すひとことです。
天国という場所では人々がひらりひらりと飛んでいます。
そこには天井があって、人々は天井にタッチして地上に戻ったり、壁の近くで飛び回ったり。
それを見て主人公は寂しいような心持を強く覚えます。
「地獄」という場所は、階段です。人々は階段の中に住んでいます。
そこに住む人々は階段を上ったり下ったりして遊んでいます。
そしてその階段は遠く遠く霞んで見えないほど先に続いています。
そこで、冒頭の「ずっといい言葉」に戻るのです。
さて、うまく伝わっているでしょうか。
「絵本」という性質もあり、文章だけで伝えるのがなかなか難しいけれど、
ぼくはこのお話を読んでこう捉えました。
平和で、どこにでも行けて、先が見えている場所で生きるより、
危なくても、先が見えないハラハラする場所で生きたい。
そして、その先に自分だけの天国があるのではないか。
そんな比喩が込められているように感じます。
天国と地獄は人によってそれぞれ。
今まで見てきたものや信じているものによって感じていることが違います。
ですが、自分の中でこの「天国と地獄」は今までに見たことのないものでした。
そして、ここまで、解釈が読者にゆだねられている作品にも、
なかなか触れることがなかった気がします。
どうしても安心したいと思ってしまいます。
自分の今いる場所、やっていることが不安で、
決められている社会のレールのようなものに乗りたいと思ったりします。
しかし、それはイメージでしかなく、どこにいる人にもその人なりの不安があります。
隣の人と同じことは確かに安心しますが、
自分の好きな道を進むこと以上にできることはないのかもしれません。
自分の今いる場所は、天国か、地獄か。
考えてもわかりませんが、どこにいても、自分の心の進む方向へ。
当店で取り扱いのある書籍から MUJIBOOKSスタッフが見つけた、いい言葉を伝えています。
中央広場にて「今日のずっといい言葉」毎日更新しておりますので、ぜひご覧くださいませ。
ではまた次のおたよりで。
無印良品イーアス春日井