こんにちは、無印良品イーアス春日井です。
本日もイーアス春日井 MUJIBOOKSスタッフが毎日お伝えしている
「今日のずっといい言葉」から、素敵な言葉をお届けしようと思います。
.....
花のために、
一掬の涙があってもよいではないか
「四季の花と果実」より
『人と物16 牧野富太郎』
.....
先週に続いて、MUJIBOOKSからのずっといい言葉です。
牧野富太郎さんは、生涯を草木に捧げた植物学者。
一掬の涙とは、ここではおそらく「少量の涙」という意味。
きっと牧野富太郎さんが花のために流した涙はひとすくいどころではないのだろうな、なんて思ってしまいます。
花のために涙を流すこと、と言われるとドキッとしてしまいます。
確かに、自然に触れたり風景を見たりして涙が出てしまうことはありますが、
花のために涙を流したことはないかもしれない。
顔も知らない遠くの国の事故に涙を流すのと同じように、
自分の家の近くの一輪の花が枯れてしまったことで涙を流したっていい。
生涯を通して草木を愛した牧野富太郎さんだからこそ出てくる言葉だと思います。
一つの花のことを想う、この文章を読んだときに、
大好きな『星の王子さま』という本のことを思い出しました。
王子さまは自分の星にある一本のばらの花とケンカをして旅に出ます。
旅をしていると、王子さまは同じようなばらが沢山咲いているばら園に辿り着きます。
そこでようやく、同じようなものはたくさんあるけれど、
自分にとって大切なばらの花はあの一本だけだったということに気がつきます。
ぼくは自然について、思いを馳せるときに、ひとまとめに考えてしまうことが多いです。
「金木犀が好きだ」なんて思っていても、自分にとって本当に大事な金木犀の木は、家の近くにあるあの一本だけな気もします。
もちろんあの一本のおかげですべての金木犀が好きになったことも事実ですが、
その分、あの一本をもっと大事にしてもいいのかもしれない、なんて思っています。
大きな台風があったり、豪雨や土砂災害があったり、
最近は否応なしに自然について考える機会が増えているように感じます。
そんな今だからこそ、自然をもっと身近に愛せるように、色んなものを大事に思えるように、
少しだけ心がけてみてもいいのかもしれませんね。
秋の夜長に、散歩でもしてみようと思います。
当店で取り扱いのある書籍から MUJIBOOKSスタッフが見つけた、いい言葉を伝えています。
中央広場にて「今日のずっといい言葉」毎日更新しておりますので、ぜひご覧くださいませ。
ではまた次のおたよりで。
無印良品イーアス春日井