立春が過ぎ旧正月を迎え、暦の上でもいよいよ新しい年がやってきました。本日は新感覚絵本をご紹介します。
真っ黒な紙に銀色のインクと透明でぷっくりしたインクで描かれるのは、目の見えないメキシコの男の子トマスの物語。視覚障がい者と言われる人にとっての色とはどんなものか、どんな感覚として伝わっているか、どんな風に認識されているのか。真っ黒な絵本を読み進めることで感じられる音やにおい、温度や触感。まさに五感を使って読書が楽しめる素敵な一冊です。
本書は、ネットで資金を募って世界の本を翻訳出版するサウザンブックス社によって、3か月で約400万円を調達し出版が叶いました。同社の古賀一孝代表は「絵本の美しさに加え、目の見えない人がどのように世界を認識しているかという想像をかき立てる作品であることも多様性を重んじるこの時代に支持を得た」と語ります。
その昔行ったイベント、ダイアログ・イン・ザ・ダークの雰囲気が思い出されます。
視覚障がい者の案内により、完全に遮断した“純度100%の暗闇”の中で、視覚以外の様々な感覚やコミュニケーションを楽しむソーシャル・エンターテイメントです。なかなか現代では真っ暗闇を見つけるのは大変だったりしますよね。視覚以外の感覚を全開にして感じとる、理解しようとする、普段とは違う経験ができる良い機会だったと記憶しています。
本書は普通に読むだけでなく、目を閉じて本が読めるという初めてのよろこびがありました。中には点字一覧もあって、いつの日か物語を点字で読みこなしたいと思ったのでした。
なかなか実店舗で本を見て選ぶことが難しくなってきている昨今ですが、そんなときはネット通販を利用してみるのもひとつの手段ですよね。みなさんの本選びのお供となれるよう、「里山良本」でのおたより配信も続けていきますのでどうぞお楽しみに。
文:メネナ・コティン
絵:ロサナ・ファリア
訳:宇野和美
発行所:株式会社サウザンブックス社
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