みなさんこんにちは。里のMUJI みんなみの里のBOOKS担当です。
里山は三寒四温の一週間でした。この寒暖の差に季節の変わり目を感じます。
そして間もなく桜の開花ですね。ソメイヨシノの淡い桜色も素敵ですが、私は里山の中に
ひっそりと咲いている山桜が好きです。平安の歌人たちが詠んだのはこの山桜だと
聞いたことがあります。この春はいにしえの世を想像しながら愛宕山の麓に咲く山桜を楽しもうと思います。
さて、本日ご紹介するのは白洲次郎の妻、白洲正子のエッセイ集です。
初期の頃の作品で、ごくごく短いエッセイが57編あります。本格的な執筆活動はこの20年後ですが、格言めいた言葉の連なりや古典や美術に通じた話題が後年の著作を彷彿とさせます。
清少納言についての『一生芝居を続けなくてはなりませんでした。遊ばなくてはなりませんでした。それが彼女の「生活」だったのです』 という考察が印象的でした。清少納言は現代のフォロワー多数の人気絶頂ユーチューバーみたいな生き方だったのかと思いを馳せてしまいます。
たしなみや教養は、できあいのものをサプリメントのように摂取すれば身につくといったものではなく、今を必死にもがきながら生きていく過程でいつの間にか身についているものなのだと思いました。
簡潔な文章で真理をつく表現力には屈伏です。30代後半でこういった現代にも通じる哲学を身につけていた著者の感覚には驚くばかりです。家柄の良さに居座ることなくいろいろなジャンルや美意識を探求していった多才な人。それが白洲正子なんだとあらためて思いました。
BOOKSコーナーには他にも白洲氏の著書をご用意しております。
ご興味のある方は多目的スペースのMUJI BOOKSへお越しくださいませ。
書籍名 : たしなみについて
著者 : 白洲 正子
発行 : 河出書房新社
定価 : 810円+税
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