こんにちは。みんなみの里のBOOKS担当です。
里山の風景は季節のカレンダーを見ているようです。陽が伸び、昼間の陽射しが嶺岡の山々のはるか上になり、空にはうっすら霞がかかっています。景色の変化に合わせるようにやさい売場にはいちご、菜花、春キャべツが所狭しと並んでいます。里のMUJIでは店内も黄色い菜花畑が見える窓の外の風景も、そして温かな南風の香りもすっかり春になりました。
みんなみの里でできたて春の空気を感じてみませんか。ご来店をお待ちしております。
さて、今回ご紹介するのは、作家の石田 千さんによる日々の暮らしに根付いた食べものエッセイです。
読み始めると、石田さんの暮らしが目に浮かび、食材の色や形、水の冷たさや湯気などが見えてくるようです。そこにはするりとフトコロに入ってくる猫のような心地よさが残ります。
千さんの文章にはちょうどよい余白も感じます。動作や目線の先にあるものをひと筆で描いて、そこにあるよろこひや哀しさを想像させる。ひとり足下を見つめながらの台所仕事は実に堅実で、おしゃれで豪華な食卓よりも素敵だと思いました。
平易な言葉で、肩の力を抜いて、感情を抑えた筆で書かれた文章は丁寧で着実な手縫いの縫い物のようです。その滋味深さを少しずつ読み進めてじっくりと味わう。なんとも幸せな読書でした。
著書名:箸もてば
著者:石田 千
発行所 : 新講社
定価 : 1700円+税
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