私たちは普段食べているものがどんな土地で生まれ、どうやってつくられているのかを知っているようで知りません。そもそも世界は知らないことだらけで、新しい発見や気づきがあるたび、世界を味わえている気がしてうれしくなるのです。自分が食べている野菜のつくりかたをこの手で土を触って知りたくなった私たちは三浦農園の“畑のオーナー制度”を利用し、伝統野菜『泉州黄玉ねぎ』を育ててみることにしました。その様子をレポートにして皆さんにお届けします。
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大阪府南部、関空国際空港にほど近い泉佐野市で家族三代で農業をされている三浦農園さん。江戸時代から100年以上続く三浦さんの畑では、泉州水なすや泉州キャベツ、なにわの伝統野菜などたくさんの野菜を育てていらっしゃいます。
今回は、Café&Meal MUJIイオンモール堺北花田でシェフを務める藤林さんと一緒に、三浦農園さんを訪れました。
地元の食材を生かした、豊富なメニューが楽しめるCafé&Meal MUJIでは、三浦農園さんの野菜をずっと使い続けています。
1ヶ月ぶりに訪れた畑は、驚くほど成長していました。
長く大きくのびた葉が畑一面に広がっていて、さわってみると太く、根はしっかり張っています。
「3月始めに、私も通っていた地元の小学生が農業体験に来て、楽しみながら草抜きをしてくれました。収穫にも来てもらう予定なんですよ」 と、三浦さん。
「通学路からいつも畑は見ていても、なかなか自分たちが畑で作業する機会なんてないから、子供たちはめっちゃくちゃ喜んでくれました」
私が小学生の頃は、田植え前に咲いているれんげの上を転がったりしてよく遊びましたが、今は畑や外で自由に遊ぶ場所も少ないですよね。だから、子供たちが草抜きを楽しんでいたと聞くと、私も嬉しくなりました。
泉州黄玉ねぎについて、三浦さんは
「一般的な種は、品種改良されているから育てやすいんですが、泉州黄玉ねぎのような伝統野菜は、種自体に個性があるから、何十年つくってるベテランの方でも失敗するほど難しくって。だから、つくる人も少ないんですよね」と、話してくださいました。
こうして生産者さんのご苦労を知ると、「おいしい」「ありがとう」の言葉は直接届けることはできなくても、大切に味わいたいなと思いました。
玉ねぎの様子を見ながら藤林さんは、
「野菜は加熱温度によって味が違うから、納得するまで絶対に妥協するなって、料理を始めた頃はよく言われましたね。それは今でも守っていて、うまくできた時はめちゃくちゃ嬉しいですね」と、料理に対する想いを話されていました。
野菜を育てる人、料理をつくる人の、お客様に喜んでもらいたいという想いが聞けて、あらためて食の大切さを感じました。
収穫は、天候などにもよりますが、4月中旬から5月の予定です。
次回はいよいよ最終回。どうぞ、お楽しみに。
今回も、三浦さんのご厚意で、野菜の収穫をさせていただきました。
トップゴールドと呼ばれる葉つき玉ねぎは、葉の部分も食べられ、辛みが少なく、生でも食べられるそうです。
前回大苦戦したキャベツは、コツをつかんでいくつも収穫するスタッフもいれば、粘ってなんとか採れたスタッフも。
このキャベツは今、Café&Meal MUJIでシーザーサラダに使われていますので、堺北花田にお越しの際はぜひ食べてみてくださいね。
過去のおたよりはこちら
第1回
泉州黄玉ねぎ、育てはじめました
第2回
泉州黄玉ねぎ、成長しています
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無印良品 イオンモール堺北花田 2021.4.8