【天神大名】てくてくのススメ その15 │まち歩き

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2020/11/12

こんにちは 天神大名です。
 
今までいくつか福岡のモノづくりのお店のご紹介をさせていただきましたが、今回は福岡から国内外問わず真摯なまでの日常着を提案しているメンズブランドをご紹介してみたいと思います。
 
天神大名から南方面へ歩くこと15分薬院大通り~城南線を西へ5分(動物園下バス停近く)
南公園も近く、中央区でも緑の多い閑静なところです。
 
plate

白い外観にブルーのドア、小さなゴールドのプレートにはDirectorsとあります。
こちらは、2002年設立の福岡ブランドFUJITOの直営店です。

1Fがショップ・2Fはアトリエ兼イベントスペースのようです。
男性の方は、もしかしたら、いろいろなショップなどでFUJITOをみかけたりしているかもしれません。

そんなFUJITOの魅力とは?デザイナー兼ディレクターの藤戸剛さんにお話しをお伺いします。
 
shop1

FUJITOの服は福岡で形作られ、素材選びから生産迄は、全てを西日本迄とこだわります。
心地よさを追求し、華美なデザインは無くとも、着こむほどに味が出て、着ているとなんかちょっとグルーブが上がるような、そんな日常に寄り添う服を作りたい。
だから毎シーズンのテーマは、常に日常着なんですと藤戸さんは笑います。
 
shop2

今シーズンのFUJITOのルック、アースカラー+ベーシックなデザインの印象です。
しかも、セットアップに着られるようなラインが多く、カラーを変えても楽しめます。
 
hanger
 
setup
FUJITO■Zip Blouson■Tapered Pants ( Navy Check)

一見、ベーシックな服の中に、藤戸さんの培った服飾史のエッセンスも活かされています。

最近人気のシャツジャケット、裾が直線ではなく少しラウンドしていているのが新鮮に映ります。
けれども、藤戸さんにとっては80年代のアウトドアの要素を少しいれただけとのことで理にかなっている様子です。
素材も尾州のメルトンウールの織物を、静かな色目のバッファローチェックへと昇華させており、柄の持つ深みを再認識します。

こういったFUJITOオリジナルのテキスタイルの商品には白いタグラベルがつけられています。
トップ画像をみても、FUJITO服の持つ悠久さとエイジレスな空気が神話のような佇まいに見えます。
 
frame
 
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(左より時計回り)
FUJITO■B/S Shirt■B/B Cap■Jangle Fatigue Jacket■Acer Denim Jeans

実は昔、小さなショップで見かけたFUJITOのデニムがありました。
とても丁寧なつくりで恰好よく、印象的だった事を覚えています。

そんなデニムを履いた一人のバイヤーが遠く離れたイタリアで、世界最高峰といわれるサルトリアの目に留まり、瞬く間にFUJITOが世に出るきっかけとなったのです。
そして今では、国内外のセレクトショップに並び、藤戸さん自身フィレンツェ~パリ~NY~ロンドンを年に数回、行き来をしています。(現在は渡航不可)
海外から日本をみた時、日本の技術の高さと同時に納期など基本的な事への生真面目さを再認識したそうです。
食に関しても、日本ほど食の安全が保障されているところもないし、福岡はとにかく美味いと福岡愛がこぼれます。
 
藤戸さんの福岡への想いは、いくつかカタチとして大きくなっています。

3.11直後に味わった、機能しない仕事や生活、常に東京のプレス力のある展示会に違和感を覚え、新たな地方の在り方に共感したクリエイターたちと九州で合同展示会を開催しました。
それは(thought)と呼ばれ、今や東京、大阪からも、ここ福岡へと参加されるそうです。
又、年に1度、大宰府の文書館で行われる(ブレンドマーケット)こちらも藤戸さんの呼びかけに福岡のモノづくりの方達が集まる人気のイベントです。
実は大宰府文書館は、皇族の行事や将棋などの公式戦、芸能のみですが、知り合いの方のお陰で使用できるようになり、縁ってありますよねと藤戸さん。
 
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■ Takashi Yatoji /左から嵯峨菊~サクラ~ツツジ
 
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■FUJITOSKATEBOARDING Sweat Parka Takashi Yatoji Collection

そんな縁のひとつは日本画壇、佐賀の画家・八頭寺昂さんとの出会いから新たな作品も生まれたようです。
FUJITOの服には基本ロゴやイラストなどはありませんが、新しい世代の方達へ向けた、このFUJITO SKATEBOARDINGは、すこしプレイフルなところが新鮮です。
 
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シックなシューズ(奥の2点)は,先日もてくてくでご紹介した、福岡のムーンスターです。

タンブラー、タープバッグなどの小物も、アースカラーでサープラス感が漂います。
これらは福岡のHIGHTIDEさんとのプロダクト、店頭で見れるのはこちらと、東京のHIGHTIDE STORE MIYASHITA PARKだけのようです。
 
 
いろいろなステージに転移していく藤戸さんですが将来、何かやりたい事は?ともお伺いしてみました。

今までは、講師などの依頼も、高価なモードなどではない、日常着を作っている自分には分不相応と思っていたそうですが年齢を重ね、服作りとは学校だけでは学べない部分がたくさんあり、それは自分がかつて、出会い、見て触れてきたモノ、そんな事を若い人たちと話しながら、その子たちのことを知り、お互いが共感できたらと。

共感をつなぐモノとして、FUJITOの服づくりの際に出るテキスタイル残布。
それを売買することは出来ませんが、服飾を学ぶ場へ寄付し教材として生かしてもらう。
街の手芸店などでは買えない貴重な生地、学校側は生徒さんに大切に使おうとおっしゃったとか。

きっと生地をリブートする道筋もあったでしょうが、藤戸さんなりの次の世代への素敵なギフトですね。
 
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さて、忘れないように少し店内の様子も。
ドアやテーブル、ラックの淡いブルーの色、FUJITO BLUE(コーポレートカラー)と呼んでいるとか。


飴色の床の心地いい軋み、天井からハンギングされた、商船旗や(海上で船同士の通信手段になる旗)古いミシンなどのレイアウト、ここにいると異邦の旅人になったような気分です。

 
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壁に飾られたキッズサイズのツイードコート、これヴィンテージなんですけど首がチクチクしないようにと、その時代の母親が刺し子で襟元に生地を充てているんですよ。
と藤戸さんは大発見のような表情でした。

きっと伝えたいのは、遠い昔、着る我が子を想い、繕った母親の愛のカタチ。
 
FUJITOの服も、着る人の事をただひたすらに想い,ファッションを愛するのではなく、服を愛する人が作る服です。
 
 
 
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fujitosan
■Store manager: Takumi Matsuo & Designer: Go Fujito
■Cover Photo: Koji Maeda  
 
 
 
Directors
〒810-0023
福岡県福岡市中央区警固3-4-3東ビル1F
t/f :092-733-3997
open12:00 close18:00
 https://www.wstra.com/
 https://fujito.theshop.jp


 
 
 
 
 次回の てくてくもお楽しみに
 
無印良品 天神大名