【天神大名】 てくてくのススメ その16 │まち歩き

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2020/12/04

こんにちは天神大名です。
師走に入りなにかしら、忙しく感じてくるこの時期です。
今回は、この時期から年始まで何かと目にするジャンルのお店をご紹介します。

天神大名から国体道路を西へ歩くこと20分、南天神~地下鉄でも6分ほどの六本松へ。
このあたり以前は九州大学があり、いわば学生さんの街でしたが、大学の移転と共に新しい街づくりへと変化を遂げました。
科学館やショッピングエリアなども充実し、新たな子育て世代やシニア層の憩いの場としても人気の地域となりました。

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さて、そんな新たな遊歩道を南へ、てくてく歩き出します。
道沿いに小さなうどん屋さんや、ワンコインの定食屋さん、たぶん学生街の名残でしょうか。

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左に人気のパン屋さん、でも今日は我慢、いつかご紹介できたらいいですね。

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2分くらいで白いのれん、京都の町やのような風情あるお店に着きました。
こちらは2005年から、六本松で和花のお店を営業されている(花屋 楠田商店)さんです。
以前、花市場の取材でもお会いし、なかなかユニークな方と聞いています。
さぁ、立冬と書かれたのれんをくぐり、お邪魔します。

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この季節はどこのお花屋さんにもクリスマスのデコレートがありますよね。
戸口のナチュラルなリース、下げる部分にも自然素材が使われており、全てが土にかえる為の配慮です。

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店内は、備前のような焼き物などに切り花や草木がレイアウトされ、売り物なのに完成された美があります。
出来る限り、日本原産の品種を中心に、外来種のものは、彩りや遊び心での品揃えのようです。

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鉢物もありますが、こちらも盆栽とは違い人間の手により形をかえるのではなく、芽吹き~花~実~枯れる姿までをしっかり見てあげてほしいとの店主・楠田さんのお話しでした。
自分は、どちらかというと植物側で代弁するので、お客様の環境などにより、まれに売るのを躊躇する場面もあるそうです。
それを聞いて戸惑う私に、男性の常連客の方が、僕その場面に遭遇したことありますよと笑っていました。

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こちらがその楠田さん、物腰も柔らかく顧客の方も多いのは、やはり植物への愛情が伝わるからでしょう。
この日も次から次へとお花を仕上げていかれます。
シーズンもあってか、クリスマスリースのレッスンの申し込みに来られる方もいましたが、楠田さんが黒板の大量のメモ用紙を指し、うちはリースよりも正月飾りの予約が多いのは和花のお店ならでは事と、年末までは大忙しのようです。

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日本ならではの小物も店内にちょこちょこ、アルミのジョウロは盆栽用で水瓶からすくいやすいように柄が長くなっており、おまけにメダカが入らないように入れ口に網がかかっていてます。
昔の人の気づき所が深くて感嘆です。

感嘆はもうひとつ、リースの横の白い封筒には購入された花材の名前を楠田さん自らの筆文字で書き添えられます。
こんな風にお花をもらうと嬉しいですよね。

そして、筆文字といえば店内に、(広場) (土)のお習字、これは楠田さんのお子さんが書かれたようで、横にお父さんへの言葉がほほえましいです。

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少し手を休めては、日本の風土に合う植物を選ぶことが日本の風景を永続することに繋がるという想いの話をされたり。
はたまた、将来、理科の植物観察も朝顔より日本の野菊になればなぁなんて言われます。
理由はクラスに一人くらい枯らす、そんな子いたよね。
で、その子はそこで観察が終わるか、友達のものを観察する。
でも野菊だと枯れても、枯れてない子に挿し木をもらい又そこから新たに育てる行為が出来るし、友達と分け合うという事も学べるのがいい。

こちらが感慨深くと納得していると、天井のひいらぎの切り株を見て、実はこれ逆さまだけど枝の部分が根っこにみえるよね、面白くない?と思いがけない、楠田さん独特のチャンネル。
確かに見えるし、枯れ木なのに美しくもみえます。

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前回、取材の申し込みに来た際、知り合いのオープン祝いの生花をお願いしたのですが、贈る相手の話を聞くと、手早く繊細なスワッグを製作してくださいました。
店舗ならドライになるのも楽しみながら、飾ってもらえるとの心遣い。

思惑通り、森のようなスワッグはピタリとその場所の風景となりました。
その話をすると、自分は勘だけはいいんよねと笑う植物仙人・楠田さん。

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帰り際、思いがけずスワッグと、小さな木の枝をお土産に頂きました。
スワッグは前回作って頂いたミニサイズ、話しながらこれ作ってくれていたんですね。
そして、木の枝は楠系の白ダモの枝、庭の選定に行った際、切る度に香る幹の匂いがさわやかで自然のアロマみたいだから、部屋においてたらいいよと。
まるで魔法の杖みたいです。

みんなお花屋さんを選ぶ理由は、価格や品揃え、フィーリングといろいろです。
だけど、こちらは仙人に会いにいくような、心がふわっと緩まる感じのお店。

そんな魅力の花屋 楠田商店さん、冬空散歩に是非どうぞ。

 

花屋 楠田商店
〒810-0044
福岡県福岡市中央区六本松4-6-26
TEL 092-716-3223
営業時間 10時~19時くらい
定休日 日曜(不定)
https://www.instagram.com/kusudashouten/


無印良品 天神大名