私たちが生きるこの世界には、さまざまな食文化があります。先人たちによって今日まで絶えることなく継がれてきたおいしさの中には、食という営みそれ自体のおもしろさや、もしかしたらより良く生きるためのヒントが隠されているのかもしれません。ふだん当たり前だと思って口にしている食材や素材をもういちど見つめてみると、あたらしい発見や学びが必ずあります。
地下1階の食品売場を歩きながら、私たちと一緒に、食べることについて考えてみませんか。
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白くて、四角で、素朴。そのままでも、煮ても、焼いても、どんな料理にも合う豆腐。夏には薬味たっぷりの冷奴、冬には熱々の湯豆腐……。
私たちの食卓には欠かせない食材のひとつである豆腐は、仏教の伝来とともに日本にやってきたと言われています。精進料理が普及すると貴重なたんぱく源として重宝され、のちに全国へと浸透したのだそう。
材料は大豆、凝固剤、水の3つだけ。そして、その85%は水なんです。水がいかに豆腐の味わいを左右するのかわかりますよね。
私たちの住む京都は良質な地下水に恵まれ、昔から豆腐づくりに適した場所とされてきました。現在でも京都の名物といえば豆腐というほど、京都の文化として根付いています。
京都山科で豆腐といえば、京の地豆腐の名店『久在屋』ですが(詳しくは
こちら)、今日ご紹介するのは山科で40年ほど続く地元のお豆腐屋さん『薬師食品』。いろんな豆腐を食べ比べて、豆腐ってなんだろうと考えてみました。
■『京とうふ』田舎もめん
しっかりした食感の木綿豆腐は口に入れると、大豆の甘みを感じます。まるで蒸し大豆を食べているみたい。こうやって豆腐だけを味わってみると、その味の濃さがわかります。
そういえば、豆腐を選ぶうえで「木綿」か「絹」かというポイントがありますよね。皆さんはこの二つにどんな違いがあるかご存知ですか?
一度固めた豆腐を崩して圧力をかけ、水分を絞ぼり、再び固めてつくる豆腐が木綿豆腐。豆腐を流し込む箱に木綿が敷いてあったことが名前の由来とされています。圧縮される分、たんぱく質やカルシウムなどが豊富に含まれているんです。
崩れにくく、味の染みやすい木綿豆腐は、炒り豆腐や豆腐ハンバーグがおすすめです。
木綿『京とうふ』400g 消費税込 210円
■『にがり きぬこし』
絹ごし豆腐は、きめが細かく、つるんとなめらか。食後も大豆の甘みが続きます。暑く食欲がなくなる夏も、気持ち良く食べられそうです。
絹ごし豆腐は、木綿豆腐よりも濃い豆乳でつくります。絞るときに絹を使うから、ではなく、なめらかな食感から「絹」と名前がつけられたのだそうですよ。ビタミンB群、カリウムが多く、冷奴やサラダなど食感を生かした料理に向いていそうですね。
『にがり きぬこし』350g 消費税込 210円
■『京とうふ』焼き
固めにつくった木綿豆腐に焼き目をつけた焼き豆腐は、こげの香りが香ばしく、この香りだけで豆腐が進みます。水分が抜け、凝縮されているので食べ応えもあります。
豆腐の味がしっかりしているからステーキや田楽にして食べたいですね。
焼き『京とうふ』400g 消費税込 210円
ちゃんと豆腐を味わってみると、それぞれ違っておいしい。そのうえで気づいたことがありました。それは、豆腐の素朴な味はいっしょに食べる食材のおいしさをぐっと引き出してくれるということです。
季節の薬味をたっぷり食べたくて冷奴を食べるし、肉豆腐の豆腐は出汁に染み出た肉の旨みを吸い込んで、いっしょに食べるネギや白滝までおいしくしてくれる。江戸時代には100品の豆腐料理を集めたレシピ本「豆腐百珍」が刊行されるほど、豆腐はどんな料理にも「よりおいしい」を引き出してくれます。
なんだか豆腐って無印良品みたいだなあと思いました。
すん、としたあの美しい佇まいは、主張することなくどんな家庭の食卓にも馴染んで、これでいい、という気持ちにさせてくれます。
豆腐を知ると料理や気分によって使う豆腐を選ぶ楽しみが増えますよね。
皆さんも今日の晩ごはんに豆腐料理はいかがですか?豆腐の売り場は地下1階です。
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