【京都山科】今が旬の塩トマト|はなおか青果

はなおか

食のお便り/入荷情報

2020/03/10

 皆さん、こんにちは。
 はなおかさん、今日はちょっと意外なものを紹介するよ!とのことで、気になってさっそく地下1階の青果売場に行ってみました。

 「僕が今日紹介するのは、このトマトです」
 
はなおか

 トマトですか?トマトって夏が旬なのでは……。

 「そう言うと思っていました。夏野菜といえばトマト、というイメージを皆さん持っているかと思いますが、実はトマトはあまり夏向きの野菜ではないんですよ」

 えっ!その話は初耳です。

 「そもそもトマトはアンデスの高地が原産地で、高温多湿に弱く、冷涼で強い日差しを好む野菜と言われています。なので、国内でつくる場合、春から初夏にかけてが一番おいしいとされる時期なんです」

 トマトはじりじり夏の太陽を浴びておいしくなるものだと思っていたので、ハウス内だとしても冬に育つトマトの姿をなんだか想像できません。
 
はなおか

 「そして、これは“塩トマト”といって、土壌塩分濃度が高い干拓地などで栽培されるトマトなんです。ちょうどこの3月が旬とされています。今回紹介する和歌山県産 『木熟塩トマト』はハウス内の土壌に海水を巻いて育て、熟したものを出荷しています」

 塩トマトって初めて聞きました。たしかに真っ赤に熟れていますね。塩の味がするんでしょうか。
 まずは食べてみてください、とはなおかさんにすすめられ、塩トマトを食べてみました。
 
はなおか

 齧ると、皮がぱんっと弾けて、ジューシーな果汁が手をつたって滴り落ちます。ん!とっても甘いですね。

 「そうでしょう。土壌の塩分によって水分をたくさん吸い上げることができなくて、甘みや旨味がぎゅっと凝縮された味になるんです」
 
はなおか

 はなおかさんの言う通り、味がとっても濃厚です。甘いだけじゃなくて、ちゃんと酸味もありますね。果肉は実が詰まっていて食べ応えのあるトマトです。それになんだか、ほのかに塩気も感じるような。

 「実は僕、トマトが苦手だったんですけど、この塩トマトなら食べられるかもって思いました」

 はなおかさんにも苦手な野菜があったとは。今日は知らないこと尽くしです。
 
はなおか

 「季節に合わせて改良したもの、糖度を上げるように改良したもの、トマトって数えきれないほど品種があるんです。僕たちが普段“トマト”として慣れ親しんできた味だって、品種改良してできあがったものなんです。もちろんそのおかげで、トマトを選ぶ楽しみができたり、僕みたいに苦手だったトマトが食べられるようになったりしているんですよね」

 そう思うと、私たちって本当のトマトの味を知らないんですね。
 私、トマトが食べたいって夜泣きするほど、子どものころからトマト好きなんですけど、今日まで持っていたトマトの概念がひっくり返されたような気持ちです。トマト好き、と名乗るのはまだまだですね。

 熊本県で生まれた塩トマトは、当初は「塩による害をうけたトマト」として市場に出回る前に処分されていたそうなんです。たまたまそのトマトを食べた地元の人たちが、おいしさに気づき徐々に人気が高まり始めたと言われています。
 そして、この塩トマトが脚光を浴びるようになったのが、2011年の東日本大震災です。津波による塩害で作物の栽培が難しいと思われましたが、逆に、塩分を利用しておいしいトマトを栽培することに成功し、復興へとつなげる取り組みが話題を呼んだのだそうです。

 皆さんもぜひ、旨味がぎゅっと詰まった塩トマトを食べてみてくださいね。


和歌山県産『木熟 塩トマト』1パック2個入り 消費税込 278円
(取材時の値段です)


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