【京都山科】You ネバー know-藤原食品|すこやか研究会

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2024/01/10

 みなさん、すこやかしてますか?
 こんにちは、すこやか研究会です。私たちすこ研は、忘れかけている人ともののつながりの中で、すこやかについて考えてみようよ、と地道に活動しています。今回は、京都北区で4代に渡り納豆をつくり続けている〈藤原食品〉さんを訪ねました。
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 THE 日本食代表というイメージのある納豆は、何千年も前から食べられてきた日本の伝統的な発酵食品ですよね。
 毎日のように食卓に上がる納豆だけど、どんな風につくられているんだろう?あのねばりとにおいはどこから生まれてくるんだろう?そんなことを考えながら歩く午前8時。山にはまだ朝霧がかかっていました。

 注意深く見ていなければ通り過ぎてしまうほど、住宅街にひっそりと佇む藤原食品。暖簾をくぐって製造所内に入ると、立ち昇る湯気がしっとりと体を湿らせ、お豆のほんのり甘い香りに包まれました。ちょうど大豆が蒸しあがったのです。
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 「まあ、まずは食べ比べてみてくださいよ」と大きな釜からひょいと蒸したての大豆を差し出してくれたのは藤原食品4代目の藤原さん。
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 小皿には青色や赤色をした大豆も混ざっています。藤原食品の納豆に使用される大豆は100%国産。さらに、品種の違うバリエーション豊かな納豆をつくられているのも特長です。大豆を口に運ぶと、青は濃厚だったり、赤は甘みがあったりそれぞれの粒の大きさややわらかさ、味をちゃんと感じます。

 「うちは大豆の味を楽しんでほしい、という提案をしてるんです。おもしろいもんで、納豆の食べ比べをすると結構好みが分かれるんですよ。納豆ってごはんとささっと食べるものじゃなくて、味わいながら楽しんで食べる、そういうカルチャーをつくりたいんです」

 常に手を動かしつつも、ちらりと笑顔を向けてくれました。藤原さんが家業を継いで約10年。前職の料理人仲間に藤原食品の納豆が大好評で、「これなくしたらあかんやつかな?」と思ったのがきっかけだったそう。

 「納豆ってむちゃくちゃシンプルなんですよ。使っているのは豆と納豆菌。あとは温度だけなんです。それなのに、つくる人で味が変わる。そこが深いし、おもしろいところだと思っています」

 そもそも納豆とは、大豆を洗い、水に浸け、圧をかけながら蒸して、納豆菌を散布し、パックなどに充填した後、室で発酵させるという手順で出来上がります。
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 「今、納豆菌かけてます。ちなみに試食してもらった豆にもかけてました」という藤原さんの言葉に取材メンバーはびっくり。なぜなら試食した豆からはねばりもにおいも感じなかったのです。実は納豆菌自体は無色透明無味無臭で、納豆菌を散布した豆を40度程度に保たれた室で20時間ほど寝かすと発酵し、あの納豆特有のねばりやにおいが生まれるというわけです。大豆がいつねばねばになるのかなんて考えたこともなかったけれど、まさかあのパックの中で変身していたとは驚きです。
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 納豆は日本発祥と思われがちですが、海外でも食べられてきた歴史のある世界食。発酵って世界共通なんだなあ。海外でも納豆が食卓にあがると想像すると、ふっくら蒸しあがった大豆が輝いて見えます。
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 藤原さんのお話しや連携のとれたスタッフさんの働く姿を見学していて気づいたのは、そのどの工程も手間ひまがかかっているということ。浸漬する工程ひとつとっても季節ごとに違う水温や浸漬時間を見極めるのは難しく、いまでも一番緊張するんだとか。
 発酵には人の助けが必要で、人もまた発酵が必要で、私たちは持ちつ持たれつの関係なのかもしれませんね。藤原さんの言う“つくる人で味が変わる”というのも納得です。

 藤原さんは、視野の狭い職人にはなるまい、と家業を継いでも違うジャンルの人たちと積極的に関わってこられたのだそう。コミュニケーションの中に発見があったり、自分の仕事をフラットな目で見ることができる、と言います。
 
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 「僕らの業界なんて外から見て若い人がやりたがらんでしょ。でもやっぱそこを『あれ?なんか楽しそうやな』って思わすのが大事やと思うんですよね。ちょっと楽しそうなおっさんいたほうが良いやん、世の中に」

 そう無邪気な顔で笑う藤原さんだからこそ、たくさんの人がこの暖簾をくぐってやってくるのでしょう。
 そんな藤原さんは、「完全に憑りつかれてますね(笑)」と言うほどのランニングマン。どんなに忙しくても毎日欠かさずランニングと柔軟をする時間をつくっているそうなんです。
 
 「走ってるときは自分と向き合えるし、新しいアイデアも生まれると思うので、いかにそういう時間をつくるか意識してます」

 やってみないとわからない、という意気込みで書店販売用に本型の納豆をつくったり、アパレルショップのレジに納豆を並べたり、音楽フェスで納豆を販売したり、その好奇心と自分のこともちゃんと大切にするすこやかさが、アイデアの生まれる源だったんですね。
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 「おいしいものは代々続くんで。つくり方はかわらないんです。伝え方を変えただけですよ」

 来年で100年を迎える製造所では、今日も年季の入った道具と地元のスタッフさんが丁寧に納豆をつくっています。「2024年は納豆にCDとかつけたいですね」と企み顔の藤原さん率いる藤原食品はこれからも発酵を続けます。
 
漬ブース

 地下1階の「漬」ブースでは今日から、納豆をテーマに〈藤原食品〉の納豆をはじめ、各地のおすすめの商品を展開中です。1/20には藤原食品さんが、1/21には納豆マガジン編集長の村上さんがブースに立ってくださいますよ。ぜひ、この機会にお気に入りの納豆を探しにブースにお越しくださいね。





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