今回は、「当世日本茶湯見聞記~五感探索・触の段~」ワークショップの様子をお伝えします。
講師は、陶々舎の天江さまと中山さまです。
毎回好評のこちらのワークショップ、今回は触の段と称して、「触覚」について深く探っていきました。
私たち人間の体は、全体が触覚の受容器官となっています。
視覚は目だけ、聴覚は耳だけで感じられるものですが、触覚は体中のどこででも感じることができるのです。
ということは、普段あまり意識していないだけで、本来は体全体でいろいろな事を感じ取っているはず。
『感覚を深く感じてみる』をテーマに、様々な物に触れてみました。
まずはお茶碗。
先入観を捨て、使用用途にも捉われず、体の様々な部分で触れていきます。
いつもの持ち方だけでなく、手の甲や足の上に乗せてみたり、口に付けてみたり…
すると、触れる場所によって質感や重さ、温度感が変化することに気づきます。これは、体の部位によって得意な感じ方があるからなんだそうです。

今度はテーブルに置いたお茶碗に触れてみます。
1本の指で触れたとき、5本全てで触れたとき、茶碗の縁をなぞって、止まっているときと動いているとき…
それぞれでまた、違う感覚が味わえます。動かすことで接触するだけではわからない情報が入ってくるのもおもしろいですね。
お茶碗同様にお椀にも触れたあと、講師の方から参加者のみなさんへ、お題が出されました。
ずばり、「無印良品の店内にある商品から、触って心地いいものを探そう!」
そのものの本来の使い方は無視してOK。どのように扱うと心地良いか?も一緒に考えつつ、探していきます。
買い物をするときとは違う見方で商品を選ぶことで、普段とは違う感覚になったとみなさんとても楽しそうにされていました。

つぶれない程度に、袋の上から手の平で挟んで押す感覚が好きだとの声が上がった卵ボーロや、
表面の触り心地ではなく、ボタンを外すときのプチッとする感覚が好きだとの声が上がったレインコートなど、
それぞれのこだわりがうかがえるものがたくさん集まりました!
みなさん、それぞれの感覚で「好き」を共有されていて、とても興味深そうにされていたのが印象的でした。

最後に、食感の違う数種類のお菓子とともに、淹れていただいた抹茶を愉しみました。
普段意識することのない感覚に注目して様々なものに触れることで、味わったことのない感覚を知ったり、自分なりのものの楽しみ方を見つけることが出来たのではないでしょうか。
また、自分自身を知るきっかけにもなったのではないかと思います。
無印良品イオンモールKYOTO