前回の茶摘み編から引き続き、今回は朝日焼の窯元見学についてお伝えいたします。


まずはじめに窯元を見学させていただきました。
朝日焼は、約400年前に築かれた宇治の歴史ある窯元で宇治の土を使って作られており、鹿の背中の斑点のような模様がでるのが特徴です。
抹茶や番茶のための茶道具を作る窯として始まり、やがて煎茶器が作られるようになりました。
この窯の周辺には、たくさんの茶器が並んでいます。


工房では、数名の職人さんたちの手によって、様々なうつわや陶芸品が生み出されています。
釉薬のかけ具合で焼き加減も変わるそうで、とても繊細な作業をされていました。

抹茶と煎茶とで、使われる茶器が異なっているそうで、抹茶の茶器では人の手を越え、自然に生まれた模様や色合いなどに美を見出し、煎茶や玉露の茶器では人の手でいかに美しくするかの機能美が追求されています。
抹茶も煎茶もルーツは中国なのだそうですが、同じお茶でも種類によって道具が異なるというのは、とても興味深いですね。

ギャラリーへ移動し、お茶の愉しみ方を教えていただきました。
宇治茶はとろみがあり、朝日焼の急須はそのとろみを出すために必要な穴の大きさで作られているのだそうです。
また、急須の中のお湯を全て注げるようになっていて、残っていると葉が開いて1,2煎目が濁ってしまい、3煎目まで愉しめないからだそう。
3煎目までお茶を愉しんでもらうための創意工夫が凝らされていますね!
白い土を使って器を作っているのは薄い色の煎茶の色を見せるためだそうで、まさにお茶のためのうつわで、茶農家と陶芸の密接な関係を垣間見ることができます。

茶摘体験をさせていただいた丸利吉田銘茶園さんのだんご茶を煎れていただきました。
お湯は道具を通すと10℃下がるため、1煎目は湯冷ましにお湯を入れてから、急須に注ぎます。そして、蓋をしたままだと蒸されて葉が開いてしまうので、1煎目を注ぎ終わったら急須の蓋を開けておきます。

最後に、無印良品のお菓子と一緒にお茶を楽しんでいただきました。
今回の茶摘体験と朝日焼の窯元見学を通して、宇治の伝統文化をより身近に感じていただけたと思います。
また、ものづくりの背景を知っていただくことで、伝統文化のつながりも感じていただけたのではないでしょうか。
無印良品 イオンモールKYOTO