肉厚でシャキシャキ感がたまらない、隠れた新潟の名産「だるまれんこん」

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諸国良品

2019/11/15

断面に空いた穴から先が良く見えることから、「将来の見通しが良い」縁起物として、お正月や慶事には欠かせない食材れんこん。茨城県がダントツで全国一の生産量を誇りますが、新潟県にも昔から評判のれんこんがあります。長岡市の中之島大口地区でつくられている「だるまれんこん」。長岡野菜にも指定されている在来品種で、奥手(晩生)の品種は今や全国的にも珍しい類です。その分、地下でじっくり育った肉厚でシャキシャキとした食感は格別です。

「蓮根」と書くように、お釈迦様の台座のモチーフとされている蓮(はす)の葉が広がるれんこん畑。実は根ではなく地下茎で、断面に空いている10個の穴は、根に外の空気を送り込む通気孔の役割を果たしているそうです。長岡市の旧中之島町の大口地区は、かつて温泉や天然ガスが噴出し稲作に不向きな土壌でしたが、一方で地下水の水温が高く、窒素分が多く含まれた粘土質の土壌は、れんこん栽培には最適な環境でした。

そんな土地で100年ほど前からつくられているのが「だるまれんこん」です。昨今、台風シーズン前の8月頃から収穫できる早生品種が一般的になるなか、10月以降に収穫を迎える晩生の在来品種で、台風を乗り越え、地下でじっくり育ったれんこんは肉厚で歯切れがよく、全国のれんこんファンからも愛されています。

一般の野菜と違って、れんこんは水をたっぷりと張った泥の中で育つため、雪が舞うような季節にも生産者は田んぼの中で腰まで水に浸って収穫作業をします。まったく見通しのきかない泥水のなか、機械による水圧と手探りでれんこんを探り当てながら掘り上げてくのです。足場の悪い泥水の中での作業は想像以上の重労働です。

収穫したれんこんは、丁寧に泥を洗い落とされます。真冬の寒い中は、手の感覚がなくなるほどだそう。それでもれんこん農家を続けている理由は、「この土地で脈々と引き継がれてきた誇りをつないでいきたいから」と、取材を受けてくれた小坂井さんは応えてくれました。

皮を剥くと真っ白な実が印象的で、肉厚でシャキシャキとした食感がたまりません。新潟の郷土汁「のっぺい汁」なんかにも欠かせません。れんこん好きも唸らせるだるまれんこん、是非ご賞味ください。

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 JAにいがた南蒲 大口れんこん生産組合

    生産者名 JAにいがた南蒲 大口れんこん生産組合 詳細

    新潟県を代表するれんこん産地、長岡市中之島の大口地区を管轄する農業協同組合。だるまれんこんを含む「大口れんこん」は長年手塩にかけて作り上げてきたブランドです。