百姓という生き方に誇りを持って。山形県南陽市【百姓ワタナベ】のつくるさくらんぼ、プラム

百姓という生き方に誇りを持って。山形県南陽市【百姓ワタナベ】のつくるさくらんぼ、プラム

諸国良品

2025/04/01

かつて農家や農民のことを指す言葉として使われてきた「百姓(ひゃくしょう)」という言葉。百の姓を持つ一般の人たち全般のことに由来しているとか、農家が作物を育てるには百ほど作業があるからとか、その言葉には様々な由来があるといわれています。最近ではあまり聞かなくなりましたが、あえて自らを「百姓」と名乗る農家があります。山形県南陽市にある「最上園(もがみえん)」の渡邉進さんは、農業という仕事に誇りと野心を持って、自らのことを「百姓ワタナベ」と呼びます。

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周囲を山形県きっての高山に囲まれた、置賜盆地の北部に位置する山形県南陽市。冬は一面雪に覆われ、夏は高温多湿という、一日のなかでも寒暖差が大きい内陸盆地特有の気候です。山々が壁となって厳しい自然から守られており、周辺都市に比べ降雨量や積雪量も少なく、自然災害にも見舞われにくい気象条件が、農業には最適といいます。そんな土地で30年以上に渡って農業を営むのが「最上園」です。

「最上園」の2代目・渡邉進さんは、東京の建設会社で3年働いた後、地元の家具工房に転身し20年という異色のキャリアの持ち主。2020年に家業の農家に戻りましたが、元々モノづくりが好きだったという渡邉さんにとっては、つくるものが家具から農作物に変わっても、違和感はなかったようです。
「とにかく親父のつくる米や果実がうまいんですよね。この味をもっと多くの人に伝えていけないかと思ったんです」と家業に戻った理由を語ります。

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帰郷してから父の背中を追いかけながら農作業をしてみると、その作業量の多さに驚いたといいます。「うちではさくらんぼからプラム、お米や枝豆も手がけているんですが、とにかく次から次へと作業が発生するんですよね。百やることがあるから“百姓”と聞いたこともあるんですけど、本当それだなと」。以来、自らのことを「百姓ワタナベ」と名乗るようになり、軽トラにもその文字を刻み入れました。
「この軽トラで子どもをお迎え行くと、子どもは恥ずかしがりますが、子どもの友だちは珍しがってたりして。もっと誇りを持って良いと思うんですよ、農業という職業に」。

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百姓ワタナベではできるだけ農薬は使わず、自家製の発酵肥料を使って独自の有機農法と栽培管理でゆっくりじっくり育て上げます。カツオのエキスを根に撒いたり、竹の粉を肥料に混ぜたり、一つひとつの果実が美味しくなるよう百の作業に余念がありません。
「そんなに量は採れませんが、百姓からのおすそわけを是非、味わってみてください」と話す渡邉さんの気持ちに応えるように、できあがった作物からは生気がみなぎっています。

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生産者紹介

  • 最上園 百姓ワタナベ

    生産者名 最上園 百姓ワタナベ 詳細

    山形県南陽市で、さくらんぼ、プラムをはじめ、お米や枝豆なども手掛ける農家。不器用でも、真っ直ぐに農業の本質に追い付きたいと日々、畑に向かう。農業という言葉に誇りと野心を持って、自らを「百姓」と呼ぶ。

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