【春日井】今日のずっといい言葉 MUJI BOOKS

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MUJI BOOKS

2023/03/05

こんにちは、無印良品イーアス春日井です。


本日もイーアス春日井 MUJIBOOKSスタッフが毎日お伝えしている


「今日のずっといい言葉」から、素敵な言葉をお届けしようと思います。

 
【春日井】今日のずっといい言葉 MUJI BOOKS


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それぞれは、とても受け入れがたいほどに悲しい
 
 
けれど、その光景はとてもきれいだった





『二重のまち/交代地のうた』


著者 瀬尾夏美





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本書は、震災から十年という節目に制作された作品。
 
 
タイトルに、「二重のまち」と「交代地のうた」の2つが取り上げられています。
 
 
かつてのまちの営みを思いながら新しいまちで暮らす2031年の人々の姿が、
 
 
画家で作家の瀬尾夏美さんの想像のもと描かれている「二重のまち」。
 
 
そして、出来事の体験者から非体験者へ、ちいさな継承をするための「交代地のうた」。
 
 
どちらも「出来事を伝え継承していく」というものがテーマになっています。
 
 
 
あの時、まだぼくは幼かったけれど、子供ながらにニュースを見て相当なショックを受けたことを覚えています。
 
 
しかし、子供だった自分も大人になりました。
 
 
どうしたって全てのものごとは進んでいくし、流れていってしまう。
 
 
時間とともにまちは新しくなって、人々も移り変わっていきます。
 
 
全てが変わっていく中で、なにをどうやって残していくのか。
 
 
それは、過去にとらわれているわけではなく、「これから」の話だと思います。
 
 
 
「夕焼けを浴びて光る一面の雑草 簡素で小さな山車、その奥に壊れた建物」
「それぞれは、とても受け入れがたいほどに悲しい けれど、その光景はとてもきれいだった」
 
 
このずっといい言葉は、本文ではこのように紡がれています。
 
 
なぜ、変わりゆくものをあんなにもきれいだと思ってしまうのでしょう。
 
 
夕焼けも、肌に触れる優しさも、あの瞬間のさらっと鼻に抜ける空気も。
 
 
全てが一瞬の出来事で、変わってしまいます。
 
 
こんなに美しい瞬間が変わってしまうことを、ぼくは悲しいと思ってしまいます。
 
 
だから、きれいなことと悲しいことは結びついている。
 
 
幸せな瞬間なはずなのに、悲しくなったり、寂しくなったりしてしまいます。
 
 
でも、そのきれいな瞬間は不変ではないけれど、
 
 
確かにそこにあったことだけは、いつまでも変わらない事実です。
 
 
もうすぐ、3月11日がやってきます。この日を「悲惨な日」で終わらせないために。
 
 
「大切な人を想う日」として、祈りを捧げようと思います。
 




 
 






当店で取り扱いのある書籍から MUJIBOOKSスタッフが見つけた、いい言葉を伝えています。



中央広場にて「今日のずっといい言葉」毎日更新しておりますので、ぜひご覧くださいませ。
 
 
 
 
 
ではまた次のおたよりで。




無印良品イーアス春日井