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6F ATELIER MUJI GINZAでは
「素材の源流を辿る『渡し舟―からむしの営み』展」を開催中です。
皆さんはからむしという植物をご存知でしょうか。
苧麻(ちょま)とも呼ばれるイラクサ科の多年草からむし。
福島県の山間にある寒冷地・昭和村では、少なくとも江戸時代から上布用の質の高いからむしを生産してきました。
昔ながらの方法で栽培から収穫、織りまで、
昭和村の人々はからむしとともに、季節の巡りに応じて暮らしています。
『春』
二十四節気の小満(5月21日頃)の日を目安に行う、からむし焼き。
からむしの発芽をそろえ、病害虫の発生を抑えるために行い、焼いた後にはたっぷりの水をかけます。
からむしが風で触れ合い傷がつかないように、畑の周囲に杭を立て、柵を結い、萱で頑丈な垣をつくります。
焼き畑を経たからむしは数日で新芽が出て、その後約2か月で一気に2m近くまで成長します。
『夏』
からむしの収穫は7月の土用の頃からお盆前の頃。
手作業で一本ずつ、良い繊維が取れそうなところを見極め、鎌で斜めに刈り取ります。
刈り取ったからむしの長さを決める物差し、尺棒。
枝の分かれた『親苧(おやそ)』とまっすぐ伸びた上質な『かげ苧(そ)』に選り分け、それぞれ既定の長さに切りそろえます。
Photo:Daisuke Bundo
数時間から一晩ほど清水に浸した後、ていねいに皮を剥ぎ取り、再び清水に浸します。
この時、昭和村の冷たくきれいな水が、からむしの品質を守っています。
刈り取りの後は、新鮮な状態のうちに苧引き(おひき)をします。
苧引き(おひき)とは、道具を使い、1枚ずつ表皮と繊維を引き分ける作業です。
繊維以外の余分な部分をきれいにこぎ落とします。
からむし焼きから苧引きまでを行う、昭和村の春と夏。
秋と冬にも、からむしの営みは続きます。
会場では、収穫に使用する道具の展示や映像を通して、季節の移ろいと暮らしとともにある「からむしの営み」を感じることができます。
皆さまのご来場を心よりお待ちしています。
【基本情報】
素材の源流を辿る
『渡し舟ーからむしの営み』展
会期|2023年11月3日(金)― 2024年1月28日(日)
営業時間|11:00-21:00
会場|無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery1・2 入場無料
※休館は店舗に準じます。
※12/9(土)イベント開催に伴い15:30より一部の展示品がご覧いただけません。
主催・企画|株式会社良品計画
展示協力|渡し舟(渡辺悦子・舟木由貴子)
空間構成|たしろまさふみ
グラフィックデザイン|森田明奈
映像編集・音響|春日聡
映像|記録映画『からむしのこえ』(監督 分藤大翼/著作・制作 国立歴史民俗博物館/2019年)より
協力|須藤玲子/ 柚木沙弥郎 / BUAISOU / 国立歴史民俗博物館/外山亮介/門元有寿/山内えり子/八須環
施工|HIGURE 17-15 cas
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