【銀座】中山間地の冬支度|くらしラボ酒田

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2020/12/01

みなさん、こんにちは。
無印良品くらしラボ酒田の松本です。
 
前回は中山間地を離れ、市街地のおすすめスポットをご紹介しました。
第5回も市街地のお話をする予定でしたが、11月に豪雪地帯ならではの体験ができたのでそちらをお話しいたします。
 
みなさん、雪囲いをご存知でしょうか。
雪囲いとは、家や庭木などを風雪から守るために簀(す)や板で囲うことです。
 
同じ酒田市内でも、市街地と中山間地の八幡地域とでは雪の量が全然違うそうです。
3月下旬に八幡地域に移住してきたときには、まだあちらこちらで雪囲いがされていて閉鎖的な印象でしたが、4月に入ると緑の芽吹きとともにだんだん囲いが外されていき、その解放感に春がやってくるぞとワクワクしたのを覚えています。
 
 
鳥海山
こちらの写真は11月15日に撮影しました。
鳥海山の冠雪が美しく、稲刈り後のさっぱりとした田んぼは少しさみしく感じますね。

 
拠点を置いている日向地区では稲刈りが終わり、この景色になると雪囲いの作業が始まります。
先日、日向コミュニティセンターの雪囲い設置作業に参加しました。
地区の自治会長さんが集まり、テキパキと囲いを設置していきます。 
雪囲いコミセン1
  

校庭に面した大きな窓には、ベニヤ板で頑丈に囲います。
(※コミュニティセンターは廃校になった小学校を利活用しています) 
雪囲いコミセン2
 
 
お地蔵様を囲うときには「暖かくなりますからね」とお声をかけして、隙間ができないように丁寧に簀を巻き付けていました。
雪囲いコミセン3


ずっと昔からこうしてみんなで協力し大切なモノを守ってきたのだなと思うと、大変な雪囲いも尊い作業に感じます。 
  
移動販売車で地域を周るときには、集落ごとに「雪囲いはしていますか?」と尋ねるようになりました。
同じ地域内でも、橋を一つ渡るごとカーブを一つ曲がるごとに雪の降る量が変わるそうです。
屋根の大きさや敷地の大きさでも異なり、囲いの方法は家ごとにそれぞれ。
地域の方とお話をしながら地域のことを知っていくことは、とても楽しく新しい発見に出会えます。
 
  
毎日の通勤路で、日を追うごとに雪囲いされていく風景を見て「うちも準備しなくては」と焦り始めていたとき、わたしの住む集落の自治会長さんが雪囲いの段取りを組んでくれました。
松本宅は築122年の古民家で、昔茅葺きだった大きな屋根が立派な建物です。
屋根は傾斜があり、積もった雪は下に落ちるので雪下ろしは必要ないそうですが、代わりに屋根から落ちた雪で窓ガラスが割れないように、窓はしっかりと囲います。
そして、立地は海からの風が山に吹き付ける場所。
わたしは勝手に『風の谷』と呼んでいます。
夜にごうごうと吹き付ける強風には、思わず「おー」と声が出てしまいます。
家の格好良さと引き換えに、風と積雪が厳しいため雪囲いはしっかりと行わなければなりません。

 
自治会長さんのお声がけで、当日はなんと12人もの方が集まってくれました。
雪囲い1
 雪囲いのプロ達がアイデアを出し合いながらサクサク囲いを設置していきます。
 柱の立て方、板を固定するバンドの結び方、知らないことばかりです。

 
雪囲い2
 室内が暗くならないように窓周りは、タキロンと呼ばれる透明のトタンで囲います。
 
 
雪囲い3
途中で柱が足りなくなり、裏山から孟宗竹を切り出してきてくれました。
孟宗竹の長さは何と7.8m。
軒下の高さに合わせてカットし、あっという間に柱が完成しました。 
臨機応変に進めていく姿はまさに職人。
とても格好いいです。

 
雪囲い4
4時間かけて雪囲い完成。 
貴重な休日を松本宅の雪囲いにつかっていただき、「ありがとう」だけでは感謝の言葉がたりません。
わたしはたくさんの方に支えられて、中山間地で初めての冬を越すことができるのです。
言葉にできない感謝の気持ちは行動で返そう。
その思いを胸にひっそりと今後の新たな目標を立てました。 

 
そして11月に雪囲いを体験して思ったことがもうひとつ。
一人ではできない作業だから、たくさんの人が集まる。
機械化が進みとても便利な生活ができるようになりましたが、こうして昔ながらの方法で作業をして人々が集まることは、絶やしてはいけないことだと感じました。
支え合い協力してくらしていくことは、とても価値のあることだと思います。

この価値をたくさんの方に伝えていくことも、自分の役割だと感じています。
新たな目標を胸に、これからも中山間地でのくらしを楽しみ活動していきたいと思います。
 
 
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無印良品 くらしラボ酒田


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