こんにちは、南大阪カレー研究会です。秋もスパイス補充して元気に過ごしたいですね。
今日、カレーの本を紹介するのはIさんです。
タイトル通り「一から」つくることに取り組んだ、武蔵野美術大学の関野吉晴先生主導のもと、放課後や休日に活動する、関野ゼミ(呼称)のお話です。
「一からってどういうこと?」というのが最初の印象でした。
米も野菜もお肉も、さらに塩をつくり、器をつくり、スプーンまでつくってしまいます。完成するまでに、なんと9ケ月。
『カレーライスを一から作る』
出版社:ポプラ社
著者:前田 亜紀
なんだか楽しそうな取り組みだな、と思って読み始めたら、野菜がなかなか育たない、ダチョウを飼えばすぐ死んでしまう、と問題続き。やっと収穫しても、他の作物がそだっていないから保存しておかなければいけない。気軽につくるメニューの代表のようなカレーですが、何かを育て、材料を揃えることは、こんなにも手間がかかり、大変なのだと圧倒されました。
長い期間のうちには、参加者たちのなかでも、意見が食い違うこともあり、議論も行われます。
「野菜に化学肥料を使ったほうが良いのではないか」
「育てた鳥に情が移り、本当に殺す必要があるのか」
私たちは、他の命をもらって、生きていることは知っています。
牧場にいる牛や豚が、スーパーに並んでいる、パックされた肉の元の姿であることも知識としては知っています。けれど、その過程のことをどれだけ実感を伴って知っているのでしょうか?屠場(家畜を肉にしてくれる場所)の職人さんの話を聞く場面は、普段の生活では見えない部分を教えてくれます。
ようやく出来上がったカレーを食べる時、探検家で医師でもある関野吉晴さんの経験に基づいて、参加者にかけた言葉があります。
「ぼくがすごしていた南米のアマゾンでは、命を食べて生きていることを毎日実感できます。でも、私たちが暮らす日本では、食べ物と命がむすびつきづらい。そして、それがあたりまえになっている。一からカレーライスをつくることで、そのことを実感してほしいと思っています」。
この本は映画「カレーライスを一から作る」を児童向けに再構成したものだそうです。全ての漢字にフリガナもふってあり、小学校中学年から高学年くらいのお子さんならひとりで読めそうです。
ぜひ、親子で読んでいただき、普段何気なく食べているものは、どうやって食卓まで届いているのかなど、話し合うきっかけになれば嬉しいです。
場所はOpenMUJI「カレーの本、大集合」にありますので、ご覧くださいね。
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無印良品 イオンモール堺北花田