【堺北花田】インセクツ訪問レポート｜南大阪カレー研究会
2021/08/11
こんにちは、南大阪カレー研究会です。
照りつける太陽がまぶしく、暑い日が続きます。カレーでスパイス補充して夏を元気に過ごしたいですね。
さて、私たち「南大阪カレー研究会」は発足したばかりのほやほや研究会。カレーの秘密を探るべく、カレーを食べたり、カレーの本を読んだり、日々いろんな活動をしています。そんな中『関西のスパイスカレーのつくりかた』という一冊の本にも出合い、先日は出版社のＬＬＣインセクツさんの事務所を訪れました。
インセクツさんはローカル・カルチャーマガジン『IN/SECTS』の制作や、雑誌の編集、webサイトのコンテンツ制作、イベントの企画・運営、書籍の編集・発刊を行っています。カレーの本も出版されていますから、何かカレーの秘密を教えてもらえるかも。では、さっそくインタビューを。お答えいただくのは、編集長の松村貴樹さんと営業の菅原奏さんです。
― カルチャーマガジンを発刊しているインセクツさんが、なぜカレーの本を？
松村さん：大阪のスパイスカレー店は、カレーのことだけでなく、音楽イベントを企画、また出店したりグッズをつくったり。勝手にやる感じや、カレーから違う文脈につながっていくところがおもしろいと思ったのがきっかけです。カレーの味わいだけでなく、店主のそれまでの経験や音楽の趣味、音楽家とのつながりなど、カルチャーの魅力。つまり、お皿の中だけでなくその周辺の楽しさも知って欲しいと思い、このスパイスカレーの本をつくりました。
― なぜ関西でスパイスカレーが発展したのでしょう？
松村さん：スパイスカレー発祥ともいわれる大阪のお店の存在が大きいと思います。カレーの味を楽しむだけでなく、そこに付随するお店のムードも魅力。そのお店の開店時間は12時だけど、店主が今日は12時に開けないといったら、開かない。でも、お客さんはそれでも待つという独特のリテラシーがあったことで、自由な創作性が生まれたのでしょう。そのお店の影響でスパイスカレーのお店を始める人が増え、大阪のスパイスカレー創成期を迎えます。
スパイスカレーの文化の原点は日本の国民食カレーライスが大きく影響していると思います。インドやスリランカ、パキスタンといった完全な外国のものではなく、日本の家庭料理“カレーライス”も取り入れて創作され、大阪スパイスカレーは広がっていったと思います。寛容で良い意味で勝手にやりやすい土壌が大阪にはあるからでしょう。
― 無印良品のカレーは召し上ったことはありますか？
菅原さん：無印良品のレトルトカレー愛好家です。いつも３つ買います。定番で買うのはバターチキンカレーとグリーンカレー。もう一つはチャレンジ系で新しい味を楽しんでいます。カレーうどんにしたりレトルトカレーなのでお手軽なところが助かります。グリーンカレーのおすすめの食べ方は、中華麺にねぎと豚ばらを加えた即席つけめんです。
― では最後に。「おいしい」ってなんでしょう？
松村さん：おいしいって料理そのものの味だけではなく、おいしいの定義や考え方またはプロセスでもあると思います。例えば、よく家でカレーを作りますが、指南書としてのレシピでは“チリ”というスパイスを入れると書いています。でも、こどもは辛くて食べられない。じゃあ、家族で食べやすいようにチリは抜いてこどもも食べやすい味にする。きっとレシピとしてはチリが入った味が良いのだろうけど、レシピどおりではなくても家族にとっては、みんなで食べられることのほうがおいしい料理になります。おいしいポイントはいろいろでいい。おいしいは、みんなの基準、みんなのものさしでいい。家庭料理を様々な角度から見渡せばおいしいポイントは必ずあって、それは決してひとつではないはず。いろんなおいしさのものさしや、そこに至るプロセスや状況が「おいしい」ことなのだと思います。
――――――――
インセクツさん、カレーの秘密を教えてくださってありがとうございました。「南大阪カレー研究会を立ち上げました」と最初にご挨拶したとき、お二人の「へえ」という寛容な微笑みが印象的でした。これが大阪の寛容性ですね。日本のカレーライスの歴史を紐解くと、日本ではじめての国産カレー粉を開発したのも大阪の薬種問屋でした。これも「カレーのような良いにおいがする」という好奇心から。なるほど、大阪には良い意味で勝手にやれる土壌と、横道にそれてもそれをおもしろいと思う寛容さがあるんですね。今日のお話をつうじて、自分の足で自由に一歩を踏み出すことの大切さもしっかりと胸に刻みました。
スパイスカレーが食べたい気分になり事務所をあとにし、近くの「soratobu kaori」さん（『関西のスパイスカレーのつくりかた２』掲載）で、しっかりスパイス補充して帰りました。
スパイスのきいたカレーは食べると顔中に汗をかいてしまうのになんだかスッキリ。カレーはやっぱり不思議だ。私たち南大阪カレー研究会のカレー探求はまだまだ続きます。
インセクツHP
soratobu kaori Instagram
Instagramはこちら
無印良品 イオンモール堺北花田 2021.08.11
照りつける太陽がまぶしく、暑い日が続きます。カレーでスパイス補充して夏を元気に過ごしたいですね。
さて、私たち「南大阪カレー研究会」は発足したばかりのほやほや研究会。カレーの秘密を探るべく、カレーを食べたり、カレーの本を読んだり、日々いろんな活動をしています。そんな中『関西のスパイスカレーのつくりかた』という一冊の本にも出合い、先日は出版社のＬＬＣインセクツさんの事務所を訪れました。
インセクツさんはローカル・カルチャーマガジン『IN/SECTS』の制作や、雑誌の編集、webサイトのコンテンツ制作、イベントの企画・運営、書籍の編集・発刊を行っています。カレーの本も出版されていますから、何かカレーの秘密を教えてもらえるかも。では、さっそくインタビューを。お答えいただくのは、編集長の松村貴樹さんと営業の菅原奏さんです。
― カルチャーマガジンを発刊しているインセクツさんが、なぜカレーの本を？
松村さん：大阪のスパイスカレー店は、カレーのことだけでなく、音楽イベントを企画、また出店したりグッズをつくったり。勝手にやる感じや、カレーから違う文脈につながっていくところがおもしろいと思ったのがきっかけです。カレーの味わいだけでなく、店主のそれまでの経験や音楽の趣味、音楽家とのつながりなど、カルチャーの魅力。つまり、お皿の中だけでなくその周辺の楽しさも知って欲しいと思い、このスパイスカレーの本をつくりました。
― なぜ関西でスパイスカレーが発展したのでしょう？
松村さん：スパイスカレー発祥ともいわれる大阪のお店の存在が大きいと思います。カレーの味を楽しむだけでなく、そこに付随するお店のムードも魅力。そのお店の開店時間は12時だけど、店主が今日は12時に開けないといったら、開かない。でも、お客さんはそれでも待つという独特のリテラシーがあったことで、自由な創作性が生まれたのでしょう。そのお店の影響でスパイスカレーのお店を始める人が増え、大阪のスパイスカレー創成期を迎えます。
スパイスカレーの文化の原点は日本の国民食カレーライスが大きく影響していると思います。インドやスリランカ、パキスタンといった完全な外国のものではなく、日本の家庭料理“カレーライス”も取り入れて創作され、大阪スパイスカレーは広がっていったと思います。寛容で良い意味で勝手にやりやすい土壌が大阪にはあるからでしょう。
― 無印良品のカレーは召し上ったことはありますか？
菅原さん：無印良品のレトルトカレー愛好家です。いつも３つ買います。定番で買うのはバターチキンカレーとグリーンカレー。もう一つはチャレンジ系で新しい味を楽しんでいます。カレーうどんにしたりレトルトカレーなのでお手軽なところが助かります。グリーンカレーのおすすめの食べ方は、中華麺にねぎと豚ばらを加えた即席つけめんです。
― では最後に。「おいしい」ってなんでしょう？
松村さん：おいしいって料理そのものの味だけではなく、おいしいの定義や考え方またはプロセスでもあると思います。例えば、よく家でカレーを作りますが、指南書としてのレシピでは“チリ”というスパイスを入れると書いています。でも、こどもは辛くて食べられない。じゃあ、家族で食べやすいようにチリは抜いてこどもも食べやすい味にする。きっとレシピとしてはチリが入った味が良いのだろうけど、レシピどおりではなくても家族にとっては、みんなで食べられることのほうがおいしい料理になります。おいしいポイントはいろいろでいい。おいしいは、みんなの基準、みんなのものさしでいい。家庭料理を様々な角度から見渡せばおいしいポイントは必ずあって、それは決してひとつではないはず。いろんなおいしさのものさしや、そこに至るプロセスや状況が「おいしい」ことなのだと思います。
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インセクツさん、カレーの秘密を教えてくださってありがとうございました。「南大阪カレー研究会を立ち上げました」と最初にご挨拶したとき、お二人の「へえ」という寛容な微笑みが印象的でした。これが大阪の寛容性ですね。日本のカレーライスの歴史を紐解くと、日本ではじめての国産カレー粉を開発したのも大阪の薬種問屋でした。これも「カレーのような良いにおいがする」という好奇心から。なるほど、大阪には良い意味で勝手にやれる土壌と、横道にそれてもそれをおもしろいと思う寛容さがあるんですね。今日のお話をつうじて、自分の足で自由に一歩を踏み出すことの大切さもしっかりと胸に刻みました。
スパイスカレーが食べたい気分になり事務所をあとにし、近くの「soratobu kaori」さん（『関西のスパイスカレーのつくりかた２』掲載）で、しっかりスパイス補充して帰りました。
スパイスのきいたカレーは食べると顔中に汗をかいてしまうのになんだかスッキリ。カレーはやっぱり不思議だ。私たち南大阪カレー研究会のカレー探求はまだまだ続きます。
インセクツHP
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無印良品 イオンモール堺北花田 2021.08.11