店内フードコートで味噌汁や豚汁の定食、糀や味噌を販売している「糀屋雨風」
今月、私たちは味噌づくりを体験しに糀屋雨風を訪れました。今日はその様子をお伝えします。
堺市西区津久野町に本店を構える『糀屋雨風』。その歴史は約三百年前の元禄二年(1689年)。
雨が降っても風が吹いても商いを休む事が無かったことから『雨風屋さん』と呼ばれるようになったのだとか。
まず出迎えてくれたのは、社長の豊田さん。
手を洗い、いよいよスタートです。
「まずは糀の袋を開けて、ひとつまみ食べてみてください」と豊田さん。
噛んでいくうちにだんだん糀のやさしい甘味が広がりました。
糀に塩を入れ、全体に塩が広がるように振ったら、次は大豆をつぶします。
使っている大豆は北海道産の『鶴娘』。大豆の中でも特に大粒で甘味が強いそうです。
「ポイントは、押しつぶすというより擦りつぶすようにしてくださいね」
豊田さんにお手本を見せてもらいますが、同じようにリズム良くするどころか、つぶれていない豆もたくさん。難しいです。基本はペースト状だけど、食感の好みで形を残す人もいるんだとか。
先程、塩を混ぜた糀をタライに出し、今度はまんべんなくきっちり糀に塩をきかせます。
「そうすることで、糀の保存性が高まり、塩の働きで糀の中にいるいろいろな物質が引き出され発酵がスムーズになります。手で糀に塩を擦りつけるように馴染ませてくださいね」
「塊があればほぐしてくださいね。今はサラサラですが少ししたら手にくっついてくるので、それまで頑張りましょう」
「ここからが本番です!」と豊田さん。タライに擦りつぶした大豆を入れて、手のひらで擦るように糀と大豆をこねていきます。
この作業が思ったより大変。みんな汗をかきながら必死でこねていると、ふとこどもの頃にした粘土や砂遊びを思い出し、なんだか懐かしい気持ちになりました。いつになっても自分の手でなにかをつくるって、楽しいですね。
しっとり重たくなってきたら手のひらサイズの味噌玉にし、樽に入れます。上から押して空気をしっかり抜いていきます。
最後にカビを生えにくくするために酒粕で蓋をしました。酒粕が無かったら塩をふたつまみほど入れて、重りで蓋をしてもいいそうです。
ついに、完成!
約二ヵ月半ほど風通しの良い場所に置いてじっくりと発酵するのを待つだけ。
「味噌は、先人の知恵が詰まった発酵食。中にいる微生物たちがしっかり仕事をしてくれるので、基本は放置で大丈夫です」
塩だけの場合はどうしてもラップが浮いてきてしまうのだそう。
「空気に触れるとカビのリスクが増えるので塩分濃度を濃くしてしっかり上から重しをのせてくださいね」
重しは味噌の30%(今回は3kgの味噌なので重しは大体1㎏の重しが必要)
手づくり味噌は、味噌の中で生きている微生物の働きに委ねて自然のままに熟成させる「天然醸造」。
なにが入っているか目に見えるのが手づくりの魅力ですよね。普段当たり前に食べている味噌が、手づくりするだけでなんだか愛おしく感じます。
出来上がったらまず、なにをつくろうかな。今からとってもたのしみです。
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無印良品 イオンモール堺北花田 2021.7.22