こんにちは、BOOKS1号です。
今週、読んでおすすめする本は『断片的なものの社会学』です。
社会学者である著者が実際に出会った人たちの「解釈できない出来事」をあえて解釈し、分析したエッセイ。
『断片的なものの社会学』
出版社:朝日出版社 著:岸 政彦

幼いころ「なんで花は開くんだろう」と疑問に思って、もうすぐ開花したであろう桔梗のつぼみを一つ一つ開いてみたことがあります。
でも答えなんてなくて、また別のことを疑問に思って一人で繰り返す。私はそんな地味でおとなしい子でした。
「あなたはのんびりしてるのはいいけど、理科の成績が悪すぎる」と先生に言われたことも。お酒が全く飲めないので「かわいそう。人生損してる」と言われたことも。「真面目でつまんない」と言った人も。
何が良くて、何が良くないのか。何が幸せで、何が不幸なのか。でも、そんな線引きなんて本当はどうでもいいのだと、この本で気づきました。
本書では、道端の小石を拾い上げ眺めているうちに、「この小石」という特別になる瞬間が惹きつけられると書かれています。それは本も同じこと。
無数の本の中から、ふと手にとって読んでみる。そこに心の琴線に触れるような言葉がある。その瞬間に「この本」となるのだと。
大人になるにつれ、同じような感性の人がいるんだと分かってきて、とても楽になりました。この本いいよって教えてもらい、これステキねって語ったり。それだけで幸せです。
皆、断片的で不充分なんだけど、答えなんてないんだけど生きています。あぁ、それでいいんだって思わせてくれる「この本」。
ぜひお手にとって読んでみてください。
「私とこの本」で紹介の本は、今日のずっといい言葉の黒板の横にあります。
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