皆様、こんにちは。
今年の節分は124年ぶりに2月2日になったと話題になりました。
そして翌日の3日が今年の立春。
暦の上ではもう春がやって来ました。
年のうちに 春は来にけり
一年(ひととせ)を
去年(こぞ)とやいはむ
今年とやいはむ
こちらは『古今和歌集』の巻頭の歌です。
「年が明けないうちに立春が来てしまった。
この一年を、去年と言おうか、それとも今年と言おうか。」
明治5(1872)年まで日本で使われていた「旧暦」は月の満ち欠けを基にしていて、新月は1日、満月は15日、そして次の新月が来るまでをひと月と数えていました。
旧暦の一年は354日なので、太陽の動きと共に季節が一巡りする365日とはずれが生じてしまいます。
このため季節と暦とを合わせるために、3年に一度閏月を入れて調節していました。
農作業や日々の暮らしの指標とするためには季節を知ることが重要です。
昼の時間が一番長くなる「夏至」
夜の時間が一番長くなる「冬至」
そして昼と夜の長さがだいたい同じくらいになる「春分」と「秋分」
それらの中間に「立春・立夏・立秋・立冬」があり、さらに各季節を分けて一年を24の区分で示したものを「二十四節気」と言います。
暦での一年の始まりが旧正月
二十四節気の一年の始まりが立春
旧暦では立春近くの新月の日が「1月1日」となるため、今年の旧正月は2月12日となります。
今年のように旧正月よりも先に立春がくることを「年内立春」と言い、先ほどの歌はこの年内立春を歌ったものです。
旧正月後に立春が来ることを「新年立春」、
そして約30年に一度、旧正月と立春が重なる「朔旦立春」となる年もあり、縁起が良い日とされているそうです。次回の朔旦立春は2038年です。
太陽の動きを基準とする二十四節気と、月の満ち欠けを基準とする旧暦。
この関係はとてもややこしいですが、この二つのズレがあるからこそ生まれた文化や言葉があって、趣深く面白いと感じました。
さて、節分と言えば、豆まきです。
鬼を追い払うという行為については、旧暦の大晦日に宮中で行われていた「追儺(ついな)」という鬼を払う年中行事が元になったと言うのが有力な説です。
なぜ鬼に向かって豆をまくのかについては、調べてみたところよくわかりませんでしたが、文献によると室町時代の京都の公家や武家ではすでに節分の日に豆を撒く風習が根付いていたようです。
「追儺」でも現在の豆まきでも、家や町、国から追い払う「鬼」というのは疫病や厄を具現化したものだと言われています。
今年は特に豆を撒く手にも力がこもってしまいました。
また、京都や関西ではお正月や節分に昆布や梅干し、大豆を入れた「福茶」というものがあり、節分には豆まきの福豆を入れて家族で飲み、一年の無病息災を願う風習があるそうです。
小さい頃は年の数だけでは足りなくてこっそり食べた節分の豆ですが、年とともにそれも難しくなってまいりました。
でも、縁起物だし少しは食べた方がいいかなと例年思い悩む年頃の私には、こうしてお茶として飲むというのは目から鱗です。
せっかくなので、昆布と福豆をお茶に入れて、福茶を飲んでみました。
湯飲みに顔を近づけると、炒り豆のほのかな香りがして、昆布の旨みもあり、いつもとは違う味わいです。
来年からもこの福茶を飲んで、年の数食べた気分になろうかと思います。
この福茶とは違いますが、豆つながりで、当店には「黒豆茶」という黒大豆から抽出するお茶があります。
お客様のテーブルには、マグカップにティーバッグを入れた状態でお出ししています。
5分蒸らした頃が飲み頃です。
こちらは家で作った福茶よりも、豆の香ばしい香りが際立っていて、それでいて苦味や渋みも少なく飲みやすいお茶です。
カフェインも入っていないので、リラックスしたいときにもおすすめです。
気温の上下が激しい旧暦の春の時節、ホッとする温かなお豆のお茶、いかがでしょうか。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
本日のおたより カルベ
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