【天神大名】MUJI standard lover file.4 お皿の上のミーティング

h1

その他

2020/04/14

無印良品にいて日々、幅広いファンの方が多いなと日々思うが、思わぬ場所でそれを感じる時がある。
ある時、知人と一緒にインテリアショップのオーナー宅へお邪魔したときの出来事だ。
そのオーナーの方は若い時には音楽関係の仕事をしながらも発信力のあるイベントなどを行い、いろんな人たちの真ん中にいるようなカリスマだった。
後にその方は、ご自分でインテリアショップをされ、全国のデザイン好きな方たちはそこへ足を運ぶと聞いていた。
ビルの階下がお店、ご自宅は上の階、階段を上るとご夫婦で迎えてくださった。
海外のアパートメントの様な空気のなか、靴のままでというのにも戸惑ったが、せっかくお洒落をして招かれても靴を脱いでは台無しだなど、強く、それでいてチャーミングな哲学があるようだった。
知人は気さくな間柄であるが、私は初対面である。
カリスマを前に一人、緊張していた。
テーブルに並んだエビ料理にも手を付けず、ヴィンテージの棚に並ぶ美しい器やカップをぼんやり眺めていた。
いつの間にか、私が無印良品にいる事を知ると、その方が白磁の器の話をし始めた。
白磁シリーズは日本の食文化に添い豆皿から大鉢など定番が揃う。
少し前のめり気味に、白磁の白の美しさや、お皿のカーブも豆などすくいやすくストレスも感じない。
そんなデザイナーの想いに感銘したこと、デザインが生活の一部になれる事への賞讃が止まらない。
何だか告白されたみたいな気分だ。
若い頃、福岡初の無印良品に通った話、あの頃にあった商品アーカイブ、ディスカッションはつづいてゆく。
しかも予想に反してカリスマは、こてこて生粋の博多弁である。
にこやかにみつめる奥さまは、こういう風景は日常の様。
いつしか私の緊張も消え、棚に並ぶ美しい器たちが日常使いなのに気づく。
北欧、東欧、西洋のデザインは温かさや独創性など足し算の要素。
逆に日本のデザインは引き算で、ひそやかにそぎ落とされた機能美。
それを表しているのが白磁の凛とした美しさなのだ。
そんなことを思い、エビ料理に手をのばした。
 
私も当然、無印良品のファンである。
ファンゆえに、学び、伝えていく
でも時に出会う学びのマスター、それはファンのお客様だったりもする。
h2
今日のスタンダード 白磁のシリーズ 
h3
遠い記憶のスタンダード ベージュの器


無印良品 天神大名