【天神大名】てくてくのススメ その18│まち歩き

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2021/02/04

福岡の街の一角が静まりかえる風景はなんともいえない、さみしい気持ちになります。
自粛をしつつも、心の静けさに対話できるような、今日はそんなてくてくです。

今日は天神交差点・明治通りを東へ、てくてく初回もここからはじまりました。
 
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15分くらいで大博通り、このカラフルなビルを博多駅方面へ歩くこと3分くらい、博多区・呉服町あたりです。
 
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観光でもお馴染みの東長寺、空海創建では日本最古の寺院です。
中には美しい五重塔や国内一の福岡坐像(大仏)などがあります。
この大仏台座の(地獄・極楽めぐり)は是非1度はくぐって頂きたいです。
くぐる?という表現の意味は是非、現地で驚きと感動を体感してみてください。
裏手にはもう一つ聖福寺という禅寺があります。
静かな空気の中、境内の石畳をあるきながら、過ごして頂くにはとても良きですよ。

少しだけ大博通りを戻り、1本路地裏へ
 
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白いのれんに桶?青緑色の水鉢にはメダカがいます。
なんのお店でしょうか、入ってみましょう。
 
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ひょろ長いカウンターに壁棚があります。
上のキャビネット、馴染みすぎて気づきませんでしたが、立派な神棚です。
100年くらいのものらしいです。
 
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北欧の空気を感じる設えと、福岡・やさいや本舗さんのジャムや、製菓材料にキッチンアイテム、あたたかみのある雑貨やボタニカル、この棚、もしかしてオーナーさんのほしいものにあふれてる?
茶紙に可愛い紐での(ギフトラッピング致します)の文字、もう雑貨屋さん確定ですかね。
 
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よもやよもや、こちら博多区・上呉服町にて2018年オープンの糸島野菜と美味しいお米・桶や商店さんなのです。
桶やという屋号は昔この辺りの町の呼び名だったようで、確かに昔から博多区は商人の町でしたね。

ずらりと並ぶ新鮮な糸島野菜たち、色とりどりで見たことないお野菜もありますよ。
見た目だけじゃなく、無農薬など体にやさしい事はここではマスト、糸島へはご自身で仕入れにいかれるそうです。
この角度じゃ伝わりづらいでしょうが、陳列もとても綺麗で分かりやすいんです。
え、こんなにジャガイモって種類あるのかとか、図鑑のようなディスプレイにグルーヴアップ。
こんな時ブログのスクエアサイズがもどかしくなりますが、少しだけでもお野菜ショットを。
 
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西農園さん、ルジャルダン・ポタジェさんなどなど、天神大名でもマルシェに出店して頂いた方々のお野菜がたくさんあります。
こういう状況でなかなかお会いできてないですが、お野菜を見るとお顔が浮かんできます。
一見、ショウガみたいな菊芋は丁寧に洗えば皮ごと薄くスライスし、茹でたブロッコリーとマヨネーズで和え、食感はサクサクして歯触りも○、血糖値の上昇を抑えるスーパーポテトみたいです。
オレンジ白菜は、その名のとおりミカンのような色、抗酸化作用もあり甘さ際立つ生食で。
緑大根はステーキで、素材をいかして塩とオリーブオイルだけで充分。
(ステーキは即実践しましたが、美味でニューワールドです)
 
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そんな普段遣いのレシピをレクチャーしてくださったのはオーナーの中藤さんです。

ご実家の営むお米屋さんから、お野菜やさんのカタチへ。
ここからは、なぜなぜモードにシフトします。
ご結婚後は西区在住、音楽講師の仕事を続ける傍らお子さんとの時間や、食育への大切さを考え一念発起、ご実家のお米屋さんのスペースと野菜好きな情熱を抱え動き出します。
まずは、知人の八百屋さんはじめ、足しげく通っていた糸島の土地へ。
ご自身、人頼みは嫌と負けず嫌いだけではいかぬ、農家さん探しのご苦労もあったようです。
そんな中、手を差し伸べてくれたのは、やはり人、糸島の肝っ玉かあさんと呼ばれる方との出会いでした。
それから、少しずつ農家さんとのご縁が増えてきたようです。
中藤さんのスタート同様、糸島には沢山の移住、就農組の方も多く、お互いのはじまりの共感から拡がったところもあるようでした。
 
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気になるのは表の年季のはいったお米屋さんの看板、今でもお父様がお馴染みさんへのお米配達をされているそうです。
せっかくのお米の縁、中藤さんは将来おにぎりもしたいなぁと仰ってました。

店内に並ぶ立派な桶は特注家具を製作されるご主人のハンドメイド。
その桶のひとつに(少しお求めやすいコーナー)がありました。
中藤さん、お野菜が捨てられるのは、作り手さんの想いに反するといわれ、最後まで嫁入り先をみつけてあげたいそうです。
確かに、まだまだ元気のいいお野菜たちの小さなスペース。
 
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その親御さんともいうべき農家の方の写真ボードもあります。
やっぱり顔が見えるのは大切ですと、中藤さん。
 
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ここに初めて寄らせていただいた時の一声は(焼き芋ですか)でした。
思わず(お願いします)と答えながら、このこげ茶のお釜から一つ手渡してくださいました。
来店するお客様も、お野菜と焼き芋がワンセットのように紙袋を持ち帰ります。
さつまいももたくさんの品種がある中、今日は何かなのお楽しみです。店先では中藤さんのお父様が作業をされていて、時折こちらに目をむけられます。
のれん先からは、ランドセルの子供さんがひょっこり、こんにちはと。
中藤さんのお子さんで、夕方の予定を話して奥に入っていきます。
ふと、こんな風に家におじいちゃんがいて、好きな仕事をしながら子供のそばにいれる、懐かしい日本の家族のカタチが心地よく継承されている気がしました。
 
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お野菜のラインナップボードを何度も手直しする、中藤さんの小話のような話。
もし学校の友達に、お前んち野菜屋っちゃろうとか言われたら、こう言いよ。
ただの野菜屋じゃないと、こだわりの野菜屋さんちゃけん他とは違うと。
生粋の博多弁の中藤さん、お子さんにそう言い聞かせているそうです。
くくっと笑いながら、さすがに、まだ言われた事はないようですけどね。

糸島野菜の語りべのように想いをもって届けている中藤さん。
なるだけ旬なものにこだわる、そんなお野菜との出会いは一期一会、次回に来ても同じものがあることは奇跡に近い、旬の恵みを大切に思ってほしいそうです。

いつか天神大名のマルシェにとお誘いすると、こんな答えが返ってきました。
自分は、生産者ではなく、糸島の野菜と想いをこの場所でつなぐのが役目です。
だからマルシェは是非生産者さんをと、謙虚でしびれる様な心意気です。

なんだか、心と静かに対話とか言って始まった今日のてくてく。
気づけば元気なお野菜たちと魅惑のレシピに心は躍り、お野菜マスターの中藤さんの強い気持ちといいころ加減のゆるやかさに心がカラフルになっています。
 
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今では糸島野菜と名の付くものは、スーパーや百貨店、コンビニでも見かけるようになりました。
どうやって食べるの?とか考えたりして次の瞬間には携帯で調べたりする。
なんとなくイメージはわくけど、結局いつものモノに戻ったり。

そんなときは、桶や商店さんにいってみてください。

糸島の人々のこと、お野菜のこと、おいしく頂くということ。
そして、なんだかつくってみようというマインドになるのは、伝える力をもった人がいるからです。
糸島のコミュニティにいるような、中藤さん家のつながる市。

今日も彼女は、一期一会を求め、糸島へ車を走らせているはずです。



次回のてくてくもお楽しみに


桶や商店
〒812-0036
福岡県福岡市博多区上呉服町2-2
営業時間: 12:00~17:00(現在時短営業中)
西鉄バス/ 奥の堂 下車
市営地下鉄/ 呉服町or祇園 下車
※通常は18:00迄となっております
定休日:  日 月 祝祭日
Instagram:  okeya.s717


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