【天神大名】てくてくのススメ その9│まち歩き

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2020/07/24

こんにちは 天神大名です。
 
今日は今迄で1番の近距離、通りをひとつ曲がるだけの場所へご案内したいと思います。
旅行など控えた方も、今日はバスハイク気分でご一緒にどうぞ。
徒歩2分、ここ大名にて江戸幕末から165年の歴史をもつ、「ジョーキュウ醤油」さん。
さらりと揺れる粋な、のれんは大名紺屋町の紺色です。
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店内にはたくさんの商品が並んでいますが、ここは最後のお楽しみにと。
奥に見える中庭のほうへ行きましょう。
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何やらこんな表示、実はジョーキュウ醤油さんの店舗奥にある歴史ある住居や建造物は国の有形文化財として登録されています。
今回、特別に7代目松村社長と部長の福島さんにご案内をお願いしました。
最初、社長と聞きビジネス番組に登場するような方かと緊張していましたが、とてもお若く
それでいて品の良さ漂う方です。
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まず、右手は江戸時代につくられた仕込み蔵、ここは後程ゆっくり。
正面、ハイビスカスが映える米蔵は明治時代の建物ですが、現在は資材置場とか。
漆喰の白壁は、呼吸する壁といわれ、蔵などの湿度調整には最適ですね。
手前の古井戸に興味津々な欧米ご夫妻が見学中、社長が素早く近寄り、レクチャーを。
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敷地左手にある昭和に建てられた裏座敷、昔は住居として使われていたそうです。
近くで見ると、地面との間に空間があり高床式の構造です。
これは通気性、水害、害虫など生活空間に配慮した日本古来からの知恵ですよね。
ふと、2005年の西方沖地震時の質問をすると、さすがに少し傾き、補修をしたそうです。
ただ、この美しく繊細そうなガラス窓は、1枚も割れず、その建具の細かさにも驚きます。
 
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さて、この南側にも接客用の表座敷とよばれる明治時代の建物があります。
一見、裏座敷と似ていますがガラスの質感などの差に時代の違いがみてとれるようです。
西南戦争では宿舎としても使用されたようです。
裏手には風情ある、水鉢もありました。
松村社長は、静かに歴史を語りつつお庭を彩る、草花などのお話もしてくださいます。
可憐な紫の花・バンマツリの香りをかぐとジャスミンのようなオリエンタルな匂い。
いいでしょうと、ちょっと嬉し気です。
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ここから、裏手にぐるりと回ると1本向こうの通りが見え、敷地の広さにも驚きます。
敷地の商品倉庫のそばにはなんと、若宮神社がありました。
天神大名をご存じの方は、国体通りの若宮神社、覚えがあるかもしれません。
こちらは、その場所へ移る前にあった場所らしいです。
しかし、ここに神社があるなんてびっくりですね。
福岡大空襲の際、このあたりまで火が迫り戦時下男性が少ない中、女性たちが消火し、ここが無事に残ったそうです。
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さぁ前半終わり、松村社長、不思議の国のアリスのウサギのように駆け出していかれたので、追いかけます。
狭いとこを何度か抜け、たどり着いたのは、大きな木のある場所。
昔、福岡城築城~明治くらいまで、天神の真ん中に巨大な肥前堀がありました。
その後、埋め立てられる際、お堀のもちの木並木の最後の1本がこちら、看板に商売繫盛の願いをこめてと記載がありました。
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さわさわともちの木のそよぐ中、松村社長と福島さんがこの場所は社内でもあまり知られてないんですとおっしゃって、なんだかとても神聖な場所にいる気がしました。
 
江戸から昭和に渡る、前半の有形文化財めぐりいかがでしたか。
次はいよいよ、手仕事の神髄、仕込み蔵へ行きましょう。

 
次回のてくてくお楽しみに。
 
 
ジョーキュウ醤油
〒810-0041福岡市中央区大名1-12-15
電話 092-741-5360
https://www.jokyu.co.jp/

無印良品 天神大名