【野々市明倫通り】ものを選ぶ前に考えること 谷裕介トークイベント|イベントレポート①

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2020/02/29

2月21日から2月24日の4日間、「もの選び」をテーマにしたトークイベントとアートイベントを開催しました。
ボリュームたっぷりのイベント、今回は2回にわたってイベントレポートをお届けします。
 
イベントレポート第1弾は、谷裕介さんの「ものを選ぶ前に考えること」をテーマにしたトークイベントです。
モデルで俳優、ファッションプランナーである谷さん。
「サスティナブル」や「エシカル」、「SDGs」などといった環境に関する言葉を、普段のもの選びを切り口に、もっと身近に感じられるお話をしてくれました!
 
服のタグ

みなさんは、今着ている洋服がどこで作られたものなのか、答えられますか。
どこの国で作られているか予想して、ちょっとタグを確認してみてください。
どうでしょう。当たっていましたか?
 
食べ物の産地に関心はあっても、洋服のタグの「Made in 〇〇」の文字を真剣にチェックしながら買い物をする方は少ないと思います。
そして、どんな国で、どんな環境でどんな人が洋服を作っているかまで、イメージしたことのある方は、どれだけいるでしょうか。
 
谷さん


谷さんは、大学院生のときに洋服のタグに書かれた「Made in Bangladesh」の文字から、バングラデシュに飛び、現地で出会った人を辿って、どうにかこうにか洋服の縫製工場に潜入調査をしたそうです。
 
そのきっかけは、あるファストファッションのお店で聞こえてきた、
「1,900円だから買おうかな」
「いいじゃん、1,900円だし」
という、ワンピースを手にした女子高生たちの会話でした。
 
日々、あちこちで行われているであろう、なんてことないやり取り。
けれど、谷さんにとって「〇〇円だから」という言葉は、その国に行き、「安い」とはどういうことなのかを理解したいという衝動が湧くものだったそうです。
 
谷さん


谷さんは、実際に訪れたバングラデシュで、「本当に僕らの着てる服を作っているの?」と思ったと言います。
ストリートチルドレンや、大量の服の端切れが廃棄されて川のようになっている写真を交えて語られる現場は、流行の最先端を安く早く提供する、華やかなファストファッションのイメージとはかけ離れたものを感じました。
 
安いから買うことも、難しいことは気にせずに、もっと気楽に買い物をしたいというのも、決して悪いことではありません。
けれど、商品を「花」とするならば、たくさんの人に買ってもらうことだけを目的にするものづくりは、やがて「根」を蝕んでいくもの。
それを買う私たちにも、責任がないとは言えないのだと感じました。
 
谷さん

そうはいっても、難しく考える必要はなく、自分なりの価値やこだわりを持ってもの選びをすることが大切だと谷さんは言います。
谷さんは、『プリンシプル』と表現していましたが、一人ひとりが、自分のこだわりや価値を持って、買い物をする、そんなちょっとした積み重ねが、ものと自分とのつながりに気づくきっかけとなり、ゆくゆくは、環境に配慮した消費にも繋がっていくとのことでした。
 
たとえば、ものを選ぶときに値段やサイズ、ブランドを気にされる方は多いと思いますが、そこからもう一歩踏み込んで、「自分はなんでこれがいいと思ったのだろう」と考えてみることから始めてみませんか。
「お買い物をもっと楽しんで」という明るい言葉で締めくくられた、谷さんのお話でした!
 
谷さん×無印良品

谷さんが無印良品の商品づくりに共感してくださったということで実現した今回のイベント。
無印良品では、素材の選択、工程の点検、包装の簡略化を掲げて商品を作っていることや、すべての商品に理由(わけ)があるので、タグの言葉をぜひ見てみてほしいことなどをお話しさせていただきました。
 
谷さん×Oku

イベントレポート第2弾では、トークイベントのテーマである「ものを選ぶ前に考えること」に絡め、「もの」をより多角的に見ることを目的に、谷さんが招待してくれたアートユニット『Oku Project』の
方々のパフォーマンスの様子をお届けします。
お楽しみに!
 
 
無印良品 野々市明倫通り