【広島パルコ】2人の考えていること|イベントレポート

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2019/04/25

先週「2人の考えていること~建築とプロダクトデザインの緩やかな関係~」と題してトークイベントを開催いたしました。

4月20日のイベントレポートです。

 

ご登壇いただいたのは、石川誠建築設計事務所の石川誠さん、そして“Air pocket.”の店主であり、グラフィック・プロダクトのデザインの仕事をされている大畠祐介さんです。お二人が、ものづくりする上で考えていることを伺いました。

石川誠建築設計事務所のホームページはこちら

Air pocket.のホームページはこちら

 

まず、石川さんが設計されたものの、実際の写真や図面をスライドに映して解説していただきました。

通りに面した建物や、ビルの中にある店舗、海沿いのホテル、個人の住宅。それぞれ場所が変われば周りの環境も違いますが、その周辺環境に溶け込むような設計をされているとのこと。また、建材屋さんにあるものをそのまま使いたいという思いがあり、テクスチャを活かしたものづくりもされています。

私が普段よく足を運ぶお店で、石川さんが設計された場所がいくつかあるのですが、行く度にその土地の美しさを実感できるようなすてきなお店で、今回のお話を伺いながら、石川さんのたくさんのこだわりや思いがそこに反映されているのだなと知ることができました。

 

大畠さんは、グラフィックデザインやオーダー家具、表札、店舗の看板など、様々な物を製作されています。

大畠さんのデザインは、ちょっと毒っ気があったり、クスっと笑えたり、見る人使う人に、その見方や使い方を委ねているのが特徴です。

三角だったりハートだったり、分かりやすいモチーフが好きだということで、シンプルなものが多い印象ですが、余分なものを削っていくことで自然とデザインしていることに気付くとのこと。説明を聞きながらその作品を見るととても面白く、お客様も楽しそうにお話に耳を傾けられていました。

 

最後に、旧広島みなと公園のトイレが紹介されました。広島県が主催する若手建築家向けのコンペで石川さんが最優秀賞を受賞された作品で、トイレのピクトサインは大畠さんのデザインです。

瀬戸内海の島々のように連なる、傘のような大小の屋根があり、トイレとしての場所は最小限、あとは広い休憩できるスペースがあるのが特徴です。ピクトサインも、サインの部分が抜かれていて、反対側から見てもおかしくないように出来ていたり、一目で何を表しているか分かるデザインです。

 

私も実際に見にいってきました!宇品港の旧ターミナル近くにある旧広島みなと公園。近くの職場の方やご年配のご夫婦がお弁当を食べていたり、子供たちが遊んでいたり、この地域の方々の生活の一部となっているようでした。

そしてトイレはこちら。

とても素敵ですよね。ピクトサインも可愛い!

店舗のサインやこのようなピクトサインは建築家だけで完結する人が多い中、石川さんが大畠さんに依頼しているのは「大畠さんはキノコみたいな存在」だからとのこと。何かの刺激で発生したり、寄生するものによって違うものになる。大畠さんが加わることでポコッと不思議なものが出でくるのだと仰っていて、お二人のとても良い関係性を見ることができました。

また、「素材を生かす」ことや「いらないものを削ぎ落したデザイン」など無印良品のものづくりと共通する部分もあり、とても嬉しくなりました。お二人の作られたものを目にできる場所が広島にはたくさんあります。ぜひお近くに行った時には立ち寄って欲しいと思います。

 

5月18日に当店が開催する「広島つながる市」に、大畠さんのSHOP“Air pocket.”も出店していただきます。場所は広島パルコ 本館1F屋外イベントスペースです。どうぞお楽しみに!

 

無印良品 広島パルコ