先日ワークショップの講師でお世話になった花背WARAさんのご紹介で、ホテルカンラ京都で開催された"DIALOGUE"「親密な工芸」の内覧会を訪問してきました。

2016年からはじまった「KOUGEI NOW」は、京都を拠点に「工芸を"未来志向"のものづくりへ」というキーワードのもと、手仕事を中心としたものづくりの新しい在り方を探っていくためのプロジェクトです。
京都を中心に、全国から伝統的な背景を持つつくり手の商品が集められ、エントランスから客室までホテル一棟をつかった展示は圧巻でした。
エントランスホールでは日替わりでつくり手さんの実演が行われていました。私たちが訪問した際は、手描友禅が披露されておりとても繊細かつ鮮やかでやわらかな筆づかいが印象的でした。
来店者はホテルのマップを見ながら、それぞれの気になるお部屋を訪問していきます。

この展示、ホテルの最上階にあるスイートルームはもちろん、各階にある客室全てを見ていくことができるのも魅力です。上がり框、ベッドルーム、そして浴室を利用した展示がお部屋の雰囲気に上手く溶け込んでいます。


それぞれに趣向を凝らした工芸品の数々がテーマを持って飾られていて、お部屋ごとに全く違った印象を受けました。
つくり手さんが在室しているお部屋では、ものづくりへの思いや背景を直接お聞き出来るチャンスです。
【花背WARA・sobi・URUS.】
こちらは、水の波紋を模したガラスや漆の器、立体的に編みこまれたシバクサのモチーフや滝のような藁のタペストリーが、川や水の流れを表現した展示になっていました。

【saigetsu デニム着物】
こちらは男性向けに作られたデニムの着物。歳月がたつと変化していくデニムの色・・・、劣化ではなく徐々に美しさを増していきます。並べられているデニム着物の濃淡が、月の満ち欠けをなぞらえて表現されていました。

帯が結べなくても簡単に着れるようにベルトタイプの帯もあり、着物も普段の暮らしの中に取り入れられそうです。
【色は匂へと】
京扇子は匠の職人の手仕事による工程を87回も重ねて、ようやく一本の扇子となるそうです。
扇子の売上は初夏で一年の売上のほとんどを占めているそうなのですが、その他のシーズンにも職人を雇っていますので、彼らのためにも仕事が必要です。
こういった理由からも、シーズンを問わず購入してもらえる商品を、ということで「扇ルームフレグランスかざ」が開発されたんだそうです。

京都では、伝統的な手仕事を今に伝える職人と、その周辺にある文化が日常の中に息づいています。長年続いてきたことを、これからも継承していくむずかしさもあります。
そのためには今までの考え方にとらわれず、伝統を守りながらも新しいことに挑戦していく。
そんなつくり手さんの知恵と工夫が数々の作品から感じとることができました。
これからも京都の職人や、工芸についてもっと知っていただけるようなイベントを開催していく予定ですのでお楽しみに。
無印良品 イオンモールKYOTO