2019年12月1日(日)岐阜県恵那市栃久保棚田にて、しめ縄づくり体験イベントを開催しました。
当日は気持ちよく晴れて暖かく、この地区の秋深まる景色も楽しめるいい一日となりました。
まずは、栃久保棚田保存会 会長 遠藤和志さんによる栃久保棚田についての解説を聞きながら栃久保棚田散策路を進み、しめ縄づくりの会場である集落の若宮神社へ向かいます。
栃久保棚田は、江戸時代中期(約330年前頃)から開拓された小さな集落にある棚田です。“岐阜の棚田21選”に選ばれる美しい石積みの棚田は昔のままに、現在も数名の石工職人の手作業によってその美しさが保たれています。
こうやってじっくりと見ていくと、水路のつくり方や石積みの階段など、職人の技術が垣間見られ非常に興味深かったです。
地形や暮らしに合わせて、知恵と工夫を重ねてきたこの土地の歴史も感じました。
そうしてしめ縄づくり会場に到着。そこは山の斜面に建てられた神社に対面する舞台です。その昔はこの舞台で歌舞伎を演じ、神様に奉納したそうです。
日本は古来より神様との関係を大切にしています。
特にお米は神様よりいただいた食べ物であり、日本の文化はお米づくりと大きなつながりがあります。
今回つくるしめ縄もそうです。
その年につくったお米の稲わらをしめ縄に仕立て上げる。
ちゃんとお米が収穫できたからこそ、その年の締めくくりを無事に迎えられる。
「お米の神様今年もありがとう」そんな感謝の気持ちも一緒に縄として綯(な)うのかなと感じました。
引き続き、遠藤さんにしめ縄について教えていただきながら、しめ縄づくり開始です。
しめ縄の意味を知るのと知らないのでは、つくるときの心持ちが変わると思います。その土地に伝わるお話を聞けるのも現地イベントならでは。ありがたい時間です。
遠藤さんによると「この地域においてのしめ縄の役目は、神様の清浄な領域と不浄である人間の領域とを隔てるためのもの」とのこと。
年の初めに自宅の玄関にもしめ縄を飾り、自宅を神様側の領域とする。
また本来、しめ縄をつくるのは「その家の男性の仕事」。
その家の人間が自分自身でつくることが重要だそうです。
実は縄を綯(な)うのは結構な力仕事。
でも今回は、女性もお子さんも力を発揮してしめ縄つくりに挑みます。
ときには家族で協力しながら。こういった姿もいいですね。
皆さん真剣です。いいですね。
太さや形などそれぞれの個性が見えるしめ縄が出来上がっていきます。
そして、初めて自分自身でつくったしめ縄を手に記念撮影。
一生懸命な姿を栃久保棚田の神様も見ていてくれたでしょうか。
しめ縄づくり体験後は、広場にて餅つきを行いました。
杵と臼での餅つきは栃久保の皆さんにとっても久しぶりのことだったそうです。
皆で交代しながら力を合わせて餅をつきます。
男性はさすが力強いです。
ひとりでも頑張りました!
餅もお米に由来した日本らしい食べ物です。杵と臼でつくならなおさら。
こちらもお米の神様に感謝ですね。
頑張ってついたお餅は格別においしい。
皆で協力したから、皆で楽しい時間になりました。
参加者の皆さんには、岐阜県恵那市栃久保という懐かしさを感じる土地とともに、
お米を通して日本の文化を体験してもらいました。
日々の暮らしは様々なことが変化していきますが、棚田の美しさも、こうした日本の文化も体験することで守っていけるのではないかと考えています。
無印良品 名古屋名鉄百貨店ではこれからも恵那市栃久保棚田という土地と関わっていきます。
また次回のイベントの企画も楽しみにしていてください。
なお無印良品 名古屋名鉄百貨店の店内でも、栃久保棚田で9月に行った稲刈体験の際に収穫した稲わらを使い、しめ縄飾りづくり体験を開催します。
ぜひこちらもチェックしてくださいね。
【リンク】岐阜県恵那市栃久保棚田のわらを使った、しめ縄飾りづくり
無印良品 名古屋名鉄百貨店