新しい年が明けてからしばらく経ちますが、お正月に食べた美味しいものを思い出してはウキウキし「なんでこんな風に食べもののことを考えるだけで幸せな気分になるのだろう」と考えています。きっとわたしが食いしん坊だからなんですね。
ところで、Found MUJIという活動を知っていますか?
無印良品ではもともと、ものをつくるというよりは、探す、見つけ出すという姿勢で生活を見つめてきました。
そうやって探し出された日用品を、いまの感じ良いくらしにあわせて改良などをくわえ販売しています。その【探す】にさらに深く取り組んでいるのがFound MUJI(見出されたMUJI)です。日本を含めた世界中の地を実際に訪れ、それぞれの生活や技術などに細やかに触れて、良いものを探し出す旅をしているのです。
そして1月から始まったFound MUJIのテーマが【アジアの食】です。主にベトナムとタイの文化を中心に展開されています。
日本を含むアジア圏には“お米が主食”という国が多くあります。そしてお米は炊飯されるだけではなく、麺や餅に姿を変えて各地域で食べられています。売場に並ぶのはジャスミン米やフォー、それを盛るお碗や丼などの日常的に使用されている食器類。
ハレの日に使うような特別な器ではない素朴な印象の器たちを眺めていると、ふと懐かしいような気持ちになりました。むかし祖母の家で見たことがあるような……、そんな気までしてきます。
なかでも目にとまったのが“バッチャン焼”。名前からも祖母を連想してしまいますが、ベトナムのバッチャン村という窯業が盛んな村で焼かれた焼きものです。この焼きものは安土桃山時代(豊臣秀吉の時代)から日本の茶人に好まれたそうで、幸運を運ぶ縁起のいいモチーフとしてトンボが描かれているのですが、これは日本の依頼で描かれるようになったとのことです。
現在のベトナムでも幸運の象徴としてよく見かけるトンボ柄。
飛行機も大きな貨物船もない時代に海を越えての輸出入があっただけでなく、言葉の異なる国同士で、その意味も伝えつつ発注から製作まで依頼するような交流があったという事実にあらためて感動しました。
Found MUJIはものをつくることよりも“探す、見つけ出す”ことに価値を見出している活動です。
誰かにとっても、こうやって“探し出したもの”を通じて、何かを知ったり感動したりする場所になっていればいいなぁと思います。
Found MUJIに出会えるのは中京地区では名古屋名鉄百貨店だけです。
どうぞ何かを知る、という目的でもここを訪れてみてください。
無印良品 名古屋名鉄百貨店