「すもも」も「もも」も桃のうち。自身が食べたい、家族に食べさせたい果実を山梨より【菊島西洋堂東支店】

山梨からの夏の便り、酸味と甘みと香りの三拍子そろった「完熟すもも」

諸国良品

2020/07/08

山梨県というと「ぶどう」に「桃」と、生産量日本一を誇るフルーツ王国ですが、「すもも」もその一つ。実に全国の生産量の約4割が山梨県でつくられています。しかし、すももはぶどう・桃のかたわらで栽培されることが多く、しかも高齢化に伴い山梨県は耕作放棄地が全国でも1~2位を争うほどまで増えてしまっているのが実情で、すもも畑が野放しにされることも。そんな状況を危惧し、自ら農家となることですもも畑を主体に引き継ぎ、環境に負荷をかけない農業を実践するのが「菊島西洋堂 東支店」の菊島史登さんです。

記事内画像:001「すもも」も「もも」も桃のうち。自身が食べたい、家族に食べさせたい果実を山梨より【菊島西洋堂東支店】

「すももは山梨の文化の一つだと思っているんです。すもも畑が廃れていくのは、先祖代々が築いてきた生活の糧の一つが崩れていくということ。そんな状況にはしたくなかった」と菊島さんは話し、笛吹市境川で新規就農したといいます。実家は甲府市にある「菊島西洋堂」という菓子卸問屋。甲府から見ると笛吹市は東に位置することから、「菊島西洋堂 東支店」と屋号をつけました。

一般的にすももは、坪当たりの収量・単価の高いぶどうや桃のついでに栽培されることが多い作物。しかも平地の少ない山梨県では果樹畑は中山間地に多いため、斜面での農作業はこたえることから、すもも畑を辞めていく高齢者が多いのが実情でした。そんな畑を、菊島さんは若手農家仲間たちと引き継ぎながら、今では3ヘクタールのすもも畑を担っています。

記事内画像:002「すもも」も「もも」も桃のうち。自身が食べたい、家族に食べさせたい果実を山梨より【菊島西洋堂東支店】

すももとプラムって何が違うの?という方もいるかもしれませんが、実は同じもの。正確には「プラム」とは総称で、その中に「すもも(日本すもも)」や、「プルーン(西洋すもも)」が位置付けられています。さらにすももの中にも中国由来のものからアメリカ由来のものまで様々あり、菊島さんは約6種類のすももを育てています。

それも慣行栽培の基準から節減対象農薬の使用を7割削減した栽培法を実現。さらに、あえて茂らせてから刈り取った雑草を敷いておくことで、土に炭素を循環させる「草生栽培」など、環境に負荷をかけない持続的な農業を確立していっています。そこまで栽培にこだわる理由はシンプルでした。「自分の子供にも安心して食べさせてあげたいですからね」

記事内画像:003「すもも」も「もも」も桃のうち。自身が食べたい、家族に食べさせたい果実を山梨より【菊島西洋堂東支店】

酸っぱいイメージもあるすももですが、「完熟のすももは酸味の中に甘みと香りが広がり、夏の暑さを忘れさせてくれる清涼感を感じさせてくれます。」と話す菊島さん。最近では仲間と共に「桃」や「ぶどう」「スイートコーン」など山梨ならではの果実も手掛けるようになりました。どれもすももと同じく栽培期間中「節減対象農薬節減(使用回数:当地比7割減)」「化学肥料(窒素成分)不使用」で栽培しています。生産者自身が食べても安心、家族にも食べさせたいと思う果物を、是非ご堪能ください。

生産者紹介

  • 菊島西洋堂 東支店

    生産者名 菊島西洋堂 東支店 詳細

    山梨県笛吹市で、すもも・桃・ぶどう・スイートコーンなどを手掛ける。完熟のすももに魅了され、続けたくても続けられなくなった農家からすもも畑を引き継ぎ、自らが農家として就農することで、山梨の一つの文化を継いでいこうと実践中。環境に負荷をかけまいと、どれも栽培期間中「節減対象農薬節減(使用回数:当地比7割減)」「化学肥料(窒素成分)不使用」で栽培している。

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