神奈川の隠れた名品、甘くて大きな「下中たまねぎ」

キービジュアル画像:神奈川の隠れた名品、甘くて大きな「下中たまねぎ」

諸国良品

2018/05/11

神奈川県小田原市の東部にある下中(しもなか)地区は、古くからたまねぎの栽培が盛んで、知る人ぞ知るたまねぎの産地です。水はけのいい土壌に、昼夜の寒暖の差や相模湾から吹き付ける海風が、甘くて美味しいたまねぎを育てるのです。そんな産地で2016年に新しく立ち上がったのが「俺たちのファーム」。高齢化で増加する休耕地を使って、酪農家・みかん農家・脱サラ農家の3名がタッグを組んで、地元の名品を盛り上げています。

「下中たまねぎ」の美味しさの秘密は土作りにあります。同地区のもうひとつの基幹産業は酪農。地元畜産農家の良質な完熟牛糞堆肥をふんだんに使用することで、有機質をたっぷりと含んだ豊かな畑にすることで、甘くて大きなたまねぎを実らせます。

味に自信はあるものの生産量に限りがあり、その名が広く知られることのなかった「下中たまねぎ」。たまねぎ農家の平均年齢は70歳を越え、後継者不足も相まって休耕地が増えていくという現状がありました。

そこで10年ほど前から地元農協の青年部でオーナー制度を開始。休耕地を開墾してたまねぎ畑にして、苗の定植から収穫まで栽培管理や作業指導を行うというもので、県内外からオーナー希望者が増えているといいます。

そんななか青年部のメンバー3人が「もっと下中たまねぎの味を多くの人に伝えたい」と立ち上がり、農業組合法人を設立。現在約1.6haの休耕地を借りて、たまねぎの生産拡大に取り組んでいます。なお、作業を手伝うのは障がい者や就労できない若者たち。

「“おいしくな〜れ!”という気持ちで、すべて手植え、手で収穫しています」と話す、メンバーの石塚明さん。5月上旬から収穫が始まり6月頃までの早生品種は、甘いのが特徴です。収穫直後は柔らかくサラダなど生で食べるのに適しています。また、火を通すとコクのある甘さがより一層引き立つので、スープやバーべキューなどでも、ぜひお試しください!

生産者紹介

  • 供給者画像:生産者名 農事組合法人俺たちのファーム

    生産者名 農事組合法人俺たちのファーム 詳細

    2016年に設立した、下中たまねぎ農家。酪農家の志澤栄治さん、みかん農家の石塚明さんと、脱サラして農家に転身した林やすなりさんの3人がメンバー。「需要があるのに生産が追いつかないのはもったいない」と休耕地を借り受け、「下中たまねぎ」の増産に取り組んでいる。