今回紹介するスタッフはインテリアアドバイザーの森田大さんです。建築を学び、ドイツに渡った森田さんが無印良品に対する熱い思いを語ります。
Q.森田さんは無印良品で働く前はどんなことをしていましたか?
大学の建築科を卒業した後は建築会社で住宅設計の仕事をしていました。でも、どうしても昔から海外で生活してみたいという思いがあってドイツに一年間滞在しました。この経験が今の自分に大きな影響を与えたと思います。ドイツの一番の印象はそこで出会った人々が自分流の生活をごく自然に楽しんでいてとても素敵だったということ。天気のいい日には公園の木の根を枕に昼寝をしたり、真冬のテラス席でダウンジャケットを着こんでアイスクリームを食べたり。日本に住んでいるとどうしても人の目を気にしがちだと思うのですが、彼らの暮らしぶりはあまり人目を気にせず、自分が好きなもの、いいと思ったことを自然と実践しているし、周りの人もそれが当たり前だとおもっています。部屋にしても素直に好きなものが好きなところに配置されていて、その人の魅力がよく表れているんですよね。流行や時代に左右されないということがまさに無印良品のメッセージとも重なっているように思います。
Q.森田さんがインテリアアドバイザーになったきっかけを教えてください。
ドイツには無駄を省いた物が美しいとされる文化があります。建築から日用品までそれが浸透していて、私はその考え方にとても共感しました。デュッセルドルフやミュンヘンにも無印良品のお店がありますが、そこに来る人達がペン一つでもタオル一枚でも素材や形など細部まで観察している姿が印象的でした。そこでは無印良品の考え方が商品を通して、伝わっていたように思います。好きだった無印良品の考え方を改めて見直すきっかけにもなり、帰国後は一スタッフとして無印良品のお店で働くことにしました。そこではいままでの設計の仕事とは違い、生活用品や家具などもっと身近なものを通してお客様のくらしにかかわることができました。これは建築を学んで分かったことですが、空間の作り方ひとつで人の生活が変わり、その人も変わっていきます。自分が得た知識や経験を使ってもっとダイレクトに人と関わりたいという思いからインテリアアドバイザーになりました。
Q.無印で好きなアイテムは何ですか?
「スチールパイプチェア」です。バウハウスのメンバーであるブロイヤーのチェアをリプロダクトしたものです。バウハウスはかつてドイツにあった建築やプロダクトのデザインなどを教えた美術学校です。そこで教えられた「余計な装飾をそぎ落とした機能的な美しさ」というデザインの考え方は現代まで影響を与え続けています。ブロイヤーのチェアはかつて誰もが使えるものとして作られたものでしたが、生産が終わって高価なレアアイテムとなってしまいました。なんとも皮肉な状況ですよね。そこで現代の無印良品がドイツの職人技と工場を活用してリプロダクトすることで、再び誰もが使えるものとして、本来のものの在り方を再生させました。形の美しさ+考え方が「いいな」と思ったんです。
Q.お店で相談を受けるときはどんなことを心がけていますか?
お客様とたくさんお話ができたらうれしいですね。それもアドバイザー目線で正解を提示するのではなく、家族の会話に混ぜていただくように、日常の会話のようにお話をしたいです。お客様が写真を見せてくれて「こんな風にしたいんです」と言われたときにも「どうしてそう思ったのだろう」と、その理由を知りたいですし、その人の暮らしぶりを知りたいといつも思っています。好きな場所や趣味など話をしていると、その人のことがなんとなくわかってきますし、お互いにいろいろなアイデアが湧き出てきます。そうしていくうちに「あっ、それいいですね!」っていう正解に一緒に導かれていくのがいいと思います。できることならその人のお部屋一緒に見たいです。その場所をみるとその人の暮らしぶりや空間の感じがよくわかりますから。ゆくゆくはそうしていけるのが理想だなと思います。
Q.東京有明がオープンしたらどんなお店にしたいですか?
担当したお客様がその後のお部屋の写真を見せに来てくださったり、また相談をしてくださったりするのは私たちにとって本当にうれしいことです。
ですから、たくさんのお客様にいつでもふらっと立ち寄っていただけて、気軽におしゃべりしに来てもらえる。そして、いつでもわたしたちがいる。そんな身近な距離感のあるお店にしたいです。来てくださった方が皆自分らしい暮らしを楽しんでいただけたら何よりです。
プロフィール
森田 大
兵庫県出身の関西人
大学で建築を学び、住宅設計の仕事に就いたのち無印良品に。
街歩きが大好きで、初の東京に楽しみが絶えない毎日です!
無印良品東京有明ではお客様の「役に立つ」ことを目指して様々なご相談にお答えできるよう、準備を進めています。次回の配信もお楽しみにお待ちください。