新たに始まった『里山きさっせぇ』というシリーズ、お楽しみいただいてますか。
この「きさっせぇ」とは、この周辺の方言で「おいでよ」という意味です。
今日もおもしろい場所をご紹介をしますので、ぜひ里山へきさっせえ~よ。
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今回は、みんなみの里から近くにある『牛頭橋(ごとうばし)』についてのお話です。
大川面(おおかわづら)地区の加茂川に架かる国道410号線にある橋で、牛の顔のマークがとてもユニークで目を引きます。
橋の近くにある八雲神社の守護神であるスサノオノミコトは、インドの祇園精舎(釈迦が説法した所)の守護神である「ゴズテンノウ(牛頭天王)」と同一視されています。橋の名前は、ここからついたものと思われます。
その八雲神社には、牛頭橋を改修する際に撤去された前の牛頭橋の親柱が奉納されています。
また、国道410号線をはさんだ反対側にある屋台格納庫には「昭和29年11月竣功」と記された親柱と欄干があります。
その欄干は、ところどころに牛の形を切り抜いたようなデザインです。
さらに、この地域には牧場が多く、昔から牛が身近な存在でした。そのため、牛を大切にする気持ちから、橋を壊すことなく今でも利用されているのではないでしょうか。
そして、この橋の近くには、森永乳業の前進である真田練乳所の跡地があります。
明治20年頃から牛乳の需要が高まり、長狭平野でもいくつかの練乳所が林立。明治29年に設立した真田練乳所でも練乳やバターなどを製造していましたが、やがて、大正6年創業の日本練乳株式会社(現・森永乳業株式会社)へと引き継がれて行きました。
長狭平野には明治乳業の跡地もあり、日本酪農発祥の地(※)らしいデザインの橋とも言えるでしょう。
一度ご覧いただきたいとは思いますが、国道に架かる橋ですので、交通安全に留意してください。
ちなみに、この地区の名前「大川面(おおかわづら)」についてですが、伝説によりますと「乱暴なふるまいをして天を追放されたスサノオノミコトの流した涙が、大きな川のごとく顔(面)を流れた」とされ、そこから「大川面」という名前になったそうです。
(※)日本酪農発祥の地
八代将軍徳川吉宗が嶺岡山系にて始めた事業です。詳しくはまた後日ご紹介します。
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