あなたは、野菜を購入するときに、どんなことが気になりますか。わたしは、価格とか、おいしそうとか、をまずチェックして、次は産地とか生産者さまを確認します…
今日ご紹介する原澤さんに出会ってからは、「どのようなかたが、どのような想いで、この野菜をつくっているんだろう」と言ったことも気になるようになりました。
今回からスタートする、この『 無印良品 農家図鑑 』では、採れたての野菜を無印良品の青果売場まで直接届けに来てくださっている地元の農家さんの「想い」や「お人柄」をお伝えしていけたらと思っています。
記念すべき一回目にご紹介するのは、奈良県明日香村で、農薬も肥料もまったく使わずにニンジンを育てていらっしゃる『 harasawa FARM 』の原澤康治さんです。原澤さんが冬場に持ってきてくださる「スイートキャロット」は甘くておいしいと、無印良品でも大人気。ニンジンが苦手でまったく食べられなかったウチの娘も、原澤さんのニンジンを食べてから、ニンジンが大好きになりました。
原澤さんは、今でこそニンジンづくりの名人ですが、前職はなんとグローブ職人。野球のグローブをつくる会社で4年間働いたのち、自然環境を守る仕事がしたいと一念発起し退社。飲食店でアルバイトをしながら農業を勉強して、8年前に農家さんになりました。
しかし最初は失敗ばかり。農薬も肥料も使わずに、いきなりおいしい野菜をつくれるほど、農業の世界は甘くはなかったようで、お子さんへのクリスマスプレゼントを買うこともできないほど困窮した時期もあったのだとか。経験や知識を蓄えた今でもなお、農薬や肥料を完全にゼロにすることは難しくて、微量の農薬や自家製堆肥を使うこともあるそうです。(※でも、ニンジンについては、農薬も肥料も完全不使用!)
以前、原澤さんに、「手間ひまをかけて、おいしいニンジンをつくっているのだから、もっと価格を上乗せして販売しないんですか?」とお訊きしたところ、「自分も裕福ではなかったので、裕福な人しか買えないような野菜はつくりたくないし、安心安全な野菜を誰もが買えるような価格で、たくさんのかたにお届けしたい…」と、話してくださり、胸が熱くなりました。
農薬や肥料を使わない農業(=環境にやさしい一方で、収穫量は限定的)によって、野菜の生産量が低下してしまうと、収穫を増やす農薬使用の促進や、森を伐採し新たに農地を切り拓こうと言った話が沸き上がってしまうので、原澤さんは、農薬や肥料を使わなくても野菜がたくさん収穫できるような「土づくり」や「新しい手法」に熱心に取り組み続けていらっしゃいます。
家族のこと、地域のこと、森や環境の保全のことなど、多方面に思いを馳せ、そして即、行動する原澤さんは、お会いするたびに刺激を与えてくださる農家さんです。
そんな原澤さんのつくったスイカが、もうまもなく、6月中旬には無印良品の青果売場にならぶ予定です。今年は去年よりも多く収穫できそうとのことなので、たくさんのかたに召し上がっていただけそうなのが嬉しいです。(※スイカ畑は奈良県天理市)
無印良品の店頭で、ご自身の野菜を直接販売してくださることも多い原澤さんは、森林を保全する「木こり」としても活動されていて外見こそ武骨な感じですが、中身は気さくでやさしいかたなので、売場で見かけたらぜひ声をかけてみてくださいね。直接お話すれば、「この人がつくるお野菜は、きっとおいしいだろうな」って、感じていただけると思います。
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harasawa FARM Facebook
※画像は今年4月ごろのスイカ畑と原澤さん。自撮り写真、ありがとうございます。でも、少し笑顔にチカラが入りすぎです…(笑)
当面の間、10:00から19:00までの短縮営業とさせていただいております。
ご不便をお掛けいたしますが、何卒ご理解を賜りますようお願い申しあげます。
無印良品イオンモール堺北花田 2020.06.05