【イオンモール堺北花田】わたしとキッチンvol.7「秋の彼岸のおはぎづくり」

キービジュアル画像:わたしとキッチンvol.7「秋の彼岸のおはぎづくり」

お知らせ

2019/09/25

 

 『わたしとキッチン』。無印良品で働く「わたし」が、お気に入りのキッチン道具を紹介したり、ときにはだれかのキッチンを見に行ったりする全10回の連載です。
 毎日立つキッチンにはその人のものの使い方だけでなく、性格や考え、人柄までもが息づきます。そこから見えるのは、食べることや生きること、もしかしたらくらしの細部まで。
 毎日当たり前に使っているキッチンを、わたしと一緒に見つめなおしてみませんか。

 


■お、萩。おはぎ。

 家の中で季節をいちばん感じられるのって、キッチンだと思いませんか。
 旬の食材を料理する場所で、寒い日にはあたたかいスープをつくる場所で。そう思うとお母さんやおばあちゃんたちは、家族の中のだれよりも敏感に季節の移り変わりを感じていたんだなあと、今になって気付きました。

 季節を彩る行事食だって、キッチンでつくるもの。おせち、お雑煮、ひなちらし、七夕のお素麺……秋はそう、彼岸のおはぎでしょうか。
 さてさて、今年の秋彼岸は9月20日から27日まで。彼岸明けはもうすぐそこです。

 今年はわたしのキッチンで、お彼岸のおはぎをつくってみることに。
 「スーパーででき合いのものが容易く買える時代だからこそ。」という思いと、「おはぎを好きな甘さで、好きな大きさで、お腹いっぱい思いきり食べたい。」というふたつの思いが、わたしを強く突き動かしたのです。

参考あんこ本:『あんこのことがすべてわかる本』著・柴崎本実
       『あんこのお菓子』著・金塚晴子
       (どちらもMUJI BOOKSで取り扱い中です)

 

 おはぎをつくるなら、あんこから!
 こしあん、白あん、ずんだあん。いろいろありますが、今回は初心者向けの粒あんにしました。
 無印良品のは小豆250gを煮るのにちょうど。(この記事内で太字をクリックすると商品ページにリンクします。)

 


 硬い小豆をざるの中で流水に浸しながらざらざらと洗ったとき、手指に触れる冷たい水と小豆の粒が気持ちよくて、じゃっじゃっと粒どうしがぶつかる音も全部、良い、と思いました。
 おばあちゃんはこの幸福をずっと前から知ってたんですね。

 

 沸騰させては差し水をして温度を下げて、また沸騰させて……を繰り返すと、だんだん豆がふくらんで赤い灰汁が出てきます。色づいた水を捨ててまた煮て灰汁を出して。
 2時間ほど煮ていくと、だんだんあずきの懐かしい香りがキッチンに広がってきました。

 グラニュー糖を入れ混ぜて、強火にかけながら練っていくと、すっかりあんこらしい感じに!
 スパチュラで練って、ほど良いかたさになったらストップ。冷めると締まるので、ちょっとゆるめで止めておくのがポイントです。
 甘い香りとつやつや光るあんこに、ときめきが止まりません。

 

 バットに広げて熱を冷ませば、粒あんが完成。
 塩を入れ忘れ、あとから慌てて混ぜたのはここだけの話です。

 炊いておいたもち米をすりこぎですり潰す、と本に書いてありますが、マッシャーもおすすめです。水で濡らして、力を込めて。
 もち米は粒を半分残した「半づき」に。一部の地域では、おはぎのことを「半殺し」と呼ぶ人もいるんですって。

 

 そんな物騒な呼び名とは結びつかないくらいにコロンとかわいく丸めてしまって、たっぷりの粒あんで包めば、りっぱなおはぎの完成です。

 中にあんこ玉を包んだ、きな粉のおはぎもつくりました。ボウルの中できな粉と砂糖を混ぜています。

 昼下がりからつくりはじめたのですが、完成するころには西陽が差して、なんとも神々しいおはぎ。食べることが第一目標になってしまいましたが、もともとは神様やご先祖様へのお供えものでしたね。

 いまのわたしに続いているご先祖さまに感謝しながら、旬の梨といっしょにいただきます。

 粒あん、ほっこり。もち、もちもち。

 手づくりのおはぎって、こんなにもおいしいんですね。つくりたては尚のこと。粒あんの、塩が引き立たせている良い塩梅の甘さ。たまに残ってしまった小豆の硬さまで愛おしいような。
 つい大きくつくってしまいましたが、ふたつぺろっと食べました。
 でもたくさんつくったから、まだまだあるのがうれしい! おはぎづくりと撮影を手伝ってくれた友達と、たっぷり分け合いました。


 キッチンを楽しむことは、くらしを楽しむことに直結していますね。旬の食材に触れながら季節を追いかけるのが本当に楽しい。
 小豆を煮て、練って、もち米を潰して、丸めて包んで。キッチンですごした時間ごと食べている、と思うと余計おいしくなってきてもう一個。
 今年の秋はまだまだこれからです。次はなにをつくろうかな。


 「暑さ寒さも彼岸まで」。彼岸を過ぎれば、また一段とすごしやすくなりそうです。季節の変わり目の風邪には、じゅうぶん気をつけてくださいね。


 次回、わたしとキッチンvol.8は「シンク下のあれやこれ」。以前の投稿では雑然としていた我が家のキッチンシンク下が、ついに!
 10月8日(火)配信予定です。お楽しみに。

 


※使用エプロンは、あおちゃんも着ていた『麻平織 肩クロスエプロン(墨黒生成)』です。

 

無印良品 イオンモール堺北花田 2019.9.25