こんにちは、BOOKS2号です。
今週、読んでおすすめする本は『「本をつくる」という仕事』です。
『「本をつくる」という仕事』
出版社:筑摩書房 著:稲泉連
一冊の本が出来上がるまでにはどんな人が関わり、どんな想いが込められているのか。作家はもちろん、校閲や印刷、装丁など本をつくる人にスポットライトを当てた本。作り手の熱い想いに、読んでいる私たちも思わず心動かされる一冊です。

この本の最後のほうで「自分の本との出会い方」というテーマで子どもが初めて出会う本について書かれています。ここで書かれている初めて出会う本とは、一番最初にもらった本というのではなく、子ども自身が自分で読みたいと思った本との初めての出会いのこと。
このテーマのなかで、絵本作家の角野栄子さんはご自身のエピソードを語っています。
娘さんが幼い頃に読んでいた絵本に、何冊にもわたって娘さんが何かを書き込んでいるのを見つけた角野さん。娘さんが成長していくにつれ、ただの鉛筆の線がだんだんと文字の形になり、最後には「あたしのもの」と書かれているのを見つけた彼女は、自分の本を初めてもらったときの喜びを思い出したのだとか。このエピソードを読んでいると、とある出来事を思い出しました。
それはまだ私が本に関わる仕事をする前、休日に本屋さんに立ち寄ったときのこと。近くのベンチで3歳ぐらいの男の子がひとりで楽しそうに絵本を読んでいたんです。まるで宝物を見つけたかのように目を輝かせながら読んでいた彼は、読み終えた絵本を大事そうに抱えながら、「これにする!」とお母さんのもとへ去っていきました。まさに彼が「自分の本」に出会った瞬間でした。
当時、あまり本を読まなかった私にとって忘れられない出来事。本の仕事をしたいと思ったきっかけでもあります。今ではこうしてアプリ配信や本の販売を通じて「本を広めていく」という仕事をしている私。この本を読んで本をつくる人たちの熱い想いに触れていくうちに、より一層この仕事に誇りが持てました。
「私とこの本」で紹介の本は、今日のずっといい言葉の黒板の下にあります。
ぜひお手にとって読んでみてくださいね。
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