こんにちは、BOOKS3号です。
今週、読んでおすすめする絵本は『いないいないばあ』です。
お子さんに初めて読んであげた本がこれ、という方も多いのではないでしょうか?
私も2人の子どもに何度も何度も読みました。
こんな単純なことで、こんなにも笑ってくれるのだなあと感心したり、まだしっかり話すこともできないのに、絵本を楽しめるのだな、と驚きました。
少し成長してくると、本を読んだ後は、一緒にいないいないばあで遊ぶのがお決まりになりました。
もみじのような小さな手で、顔を隠して、「にゃいにゃいぱっ!」と、舌足らずな声で一生懸命してくれる姿が、可愛くてたまりませんでした。
『いないいないばあ』
出版社:童心社 著:松谷みよ子 絵:瀬川康男

昔、1人目の子どもを抱っこしてショッピングセンターのベンチに座ったところ、隣に小学生の男の子とお母さんが座っていました。しばらくすると、その男の子が「いないいないばあ!」と、子どもをあやしはじめました。子どもはニコニコ嬉しそうに笑っていて、男の子は何度も何度もしてくれました。
男の子のお母さんは「すみません、この子小さい子が大好きなんですよ」と気遣ってくださり、私は小学生の男の子が赤ちゃんをあやしてくれるなんて、と驚きましたが、優しいお兄ちゃんに出会えたことは、新鮮で嬉しい出来事でした。
『いないいないばあ』の作者、松谷みよ子さんは、あかちゃんに本がわかるはずがないと世間で考えられていた時代に、ご自身の育児の体験から、「本気で取り組んだ赤ちゃんの絵本が必要」と思われて、この絵本を作られたそうです。
初めての育児で、どう相手をしてあげたらいいのか迷っている時に、赤ちゃん絵本にどれだけ助けられたかわかりません。50年以上も前に、松谷さんが強い思いを持ってくださったからこそ、私たちは赤ちゃんに絵本を読んであげられるのですね。
本の表紙の目を見開いて、ばあ、としているくまさんの絵も印象的です。絵を描かれたのは、瀬川康男さんです。松谷さんが、赤ちゃんの絵本を作ることを考えていると話されたところ、「俺に描かせろ」と立候補されたそうです。瀬川さんの絵は、典具帖という薄い和紙の上に描かれたもので、典具帖法と名づけられているそうです。
絵のところどころのかすれ具合に、和紙の特徴を感じられますね。
同じシリーズの「いいおかお」と一緒に読むのもおすすめです。
「いないいないばあ」と同じ猫が出てきたり、女の子とお母さんの服にも共通点があり、絵を見比べて新たな発見ができるのも、絵本の魅力ですね。
「私とこの本」で紹介の絵本は、今日のずっといい言葉の黒板の下にあります。
ぜひお手にとって読んでみてくださいね。
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