【堺北花田】大阪府立 水産技術センターに行ってきました|さかな屋のはなし#番外編12

【堺北花田】大阪府立 水産技術センターに行ってきました|さかな屋のはなし#番外編12

イベント・地域情報/イベント

2023/07/21

 6月14日、大阪府最南端の町・岬町にある地方独立行政法人 大阪府立 環境農林水産総合研究所 水産技術センターへ行ってきました。
 このセンターでは大阪湾の環境変化を見守ったり、都市部の海辺の再生を行っています。また、食糧の安定供給や漁業経営の安定化を目的として魚を調べたり、放流のための魚たちを育てています。
 
 今日はこちらのセンターを見学した様子をご紹介します。
 
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 玄関を通ると大きなジオラマがありました。大阪湾の漁業方法を模した風景が再現されています。
 
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 よく見てみると、こんな風景を見つけました。
 これは大阪府岸和田市で行われている漁法で、イワシ類を獲るための『いわし巾着網』です。巨大な網で魚の群れを巻いた後、巾着のように網の下をすぼめて魚の逃げ道をふさぎます。
 
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 これは『魚礁』と呼ばれるさかな達の住処です。コンクリートのマンションのようですね。
 自然の浅い波打ち際がなくなった現在は、人工の建造物をたくさん海に沈めているんだそうですよ。通常では海の中の世界は見えないので、不思議な世界に感じます。
 
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 大阪湾の漁業ジオラマやセンターで生産している魚の展示を見学すると、その先では実際に種苗を生産している水槽を見学することができます。

 ここでは『栽培漁業』と名付けられた、魚をただ獲るだけでなくて育てる漁業を行っています。簡単に説明すると、資源の減った魚の卵を保護して水槽で育て独り立ち出来る大きさになった時に海に放して海の中の魚を増やし、獲るという流れです。
 
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 水槽を覗くと底に白と黒の線が引いてあります。この線は水槽の底にたまった餌の食べ残しや魚のフンなどを掃除する自動掃除機の線路です。磁石の粉を混ぜたペンキで書いてあり、掃除機は一筆書きで書かれた線を磁気センサーで読み取りながらゴミを吸って進んでいくそうです。
 
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 水槽を覗くと居ました!
 この子たちは生まれて約40日の体長が3cm程のトラフグです。これからここで、他の魚たちに食べられない大きさになるまで育てられます。
 
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 大きくなるまで同じ場所で過ごす習性の魚種を選んで大阪湾で放流すると、大阪の漁師さんが獲れるからだそうです。

 ここを旅立ったトラフグの印として、胸びれをカットします。傷口が治る時に再生箇所が膨らむので印になるそうです。
 また、捕獲したときに確認ができるよう、頭のとげを溶かすそうですよ。、トラフグにとってはちょっと痛い卒業証書ですね。
 
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 この水槽は動物プランクトンのワムシを育てています。空気で大きく膨らんだ緑色の泡の植物プランクトンを食べて大きく育ちます。
 網でワムシだけを掬って、生まれたての魚の赤ちゃんの餌にするそうです。
 
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 今は空ですが、これも水槽です。
 乾燥したアルテミアと呼ばれるプランクトンの卵を輸入して、この装置で海水に浸けて戻し、こども達の餌にするように飼うそうです。
 
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 隣の水槽で、特別に餌やり体験をさせてもらう事になりました。
 
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 ここに居るのは大阪ではアコウと呼ばれるキジハタです。
 少し成長しているこのさかなには、人口の配合飼料を与えます。
 
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 通ってきた廊下に展示されていたのがこちら。まだこどもですが、そのうちにまずみんな雌になります。

 キジハタは性転換する魚として有名です。“雌性先熟”と呼ばれ、最初はみんな雌で大きくなると雄になります。

 その理由は、小さいうちから雄になっても他の大きな雄との縄張りの取り合いに負けてしまうので、雌と卵を産むことが出来ません。だから小さいうちは雌として卵を産み、縄張りを持てる大きさになった時に雄に変わる進化を選んだのです。
 
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 大きな水槽で静かに泳いでいます。
 
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 餌に気づくともの凄い勢いで集まってきます。
 波で勢いがわかりますね。
 
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 いっぱい食べて大きくなった姿です。鳥のキジのように美しい色の姿をしています。
 大阪では“冬のフグに、夏のアコウ”と言われるほどの人気なんですよ。
 
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 見学時間は平日の9時30分から16時までです。
 漁業方法のジオラマや通路の水槽展示は予約が無くても見学できるので、興味のある方はぜひ行ってみてくださいね。。

 ちなみにこの虫眼鏡は、海中ではなかなか見れない魚の卵が孵化した直後から観察できるようになっています。カレイの目が移動していくのが確認できて面白いですよ。 
 
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地方独立行政法人 大阪府立 環境農林水産総合研究所 水産技術センター
〒599-0311 大阪府泉南郡岬町多奈川谷川2926-1
072-495-5252
ホームページ 
https://www.kannousuiken-osaka.or.jp/shisetsu/suisan/
 
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 ここでイベントのお知らせです。
 8月5日(土)と6日(日)は、『海と友達になろう!』と題して、2日間連続で海について学ぶイベントを開催します。
 5日(土)のテーマは『大阪湾のさかなと友達になろう!』です。
 地方独立行政法人 大阪府立 環境農林水産総合研究所 水産技術センターの日下部敬之博士をお招きして、大阪湾のさかなの実物に触れて観察し、その生活の秘密をさぐります。

 どんなお魚に出会えるかは、その日の漁によるのでお楽しみに。
 夏休みの自由研究や海の生き物に興味のある方はぜひご参加くださいね。

 お申込みはこちら

開催日時:8月5日(土)①11:30~12:30②14:00~15:00
開催場所:無印良品店内中央Open MUJI
参加人数:各回15名
参加費:税込500円(無印良品の海をモチーフにしたお土産付き)
【お願い】
・開始10分前に店内中央フードコート内総合カウンターへ越しください。
・魚を触り、観察後に手洗いをするのでタオルをお持ちください。
・必要のある方は筆記用具とノートもお持ちください。

 
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無印良品イオンモール堺北花田 2023.7.21