みなさん、こんにちは。
日に日に寒くなり、鎌倉の街も年末の雰囲気を感じられるようになってきました。
今までのおたよりでスタッフがご紹介しているように、鎌倉にはたくさんの史跡があります。
お寺や神社をはじめ、街の一部に溶け込んでいる何気無い橋や道。そういうものから昔の鎌倉を想像しながら歩くのも、鎌倉散歩の一つの楽しみかと思います。
この道はいつからあるのかな、ここは昔はどんな風景だったんだろう、そんなことを考えるととてもワクワクします。
そういえば、この「Café&Meal MUJI ホテルメトロポリタン鎌倉」がある場所も、以前は鎌倉警察署でした。
鎌倉警察署がこの
二の鳥居前に庁舎を構えたのは明治36(1903)年。
平成25(2013)年に同じ若宮大路沿いの一の鳥居近くに移転するまでの110年もの間、この場所は警察署だったようです。
横須賀線の鎌倉駅は明治22(1889)年にすでに開業しており、警察署だけでなく、町役場、銀行、郵便局、書店などができて、駅前は明治期からどんどん発展していったようです。
藤沢〜鎌倉間を走る江ノ島電鉄線、通称「江ノ電」が全線開業したのもほぼ同じ時代、明治43(1910)年のことです。
現在とそう大きく変わらない駅前の顔ぶれがすでに明治時代に揃っていたことに驚きます。
しかし、昔の鎌倉駅前、特に二の鳥居前の風景で、今とは大きく違う点を見つけました。
ここで昭和初期の観光案内パンフレットをご紹介します。
以前古本屋さんでつい買ってしまったものです。
二の鳥居の手前に丸印があります。ホテルメトロポリタン鎌倉のほぼ目の前です。
そしてそこから続く黒い線は横須賀線と交差して、海沿いを西方面に伸びています。
実はこの黒い線、江ノ電なのです。
江ノ電は明治35(1902)年に起点となる藤沢駅から開業を始め、少しずつ鎌倉に向けて駅を増やしていき、明治40(1907)年には
下馬四つ角近くの「大町」まで開通します。
この大町停留場(1944年廃止)の跡地には、当時のホームの一部を再現した一角があります。
「大町」から終点となる鎌倉駅前の「小町」駅まではあとわずか500m。
しかしこの区間の最大の難所は横須賀線との交差でした。
当時まだ横須賀線は若宮大路を平面で横断しており、この時にガードを作る工事が行われ、横須賀線は高架上を、江ノ電はガード下の車道を通る形で、ついに明治43(1910)年、「小町」駅までの全線が開業しました。
のちに「鎌倉」駅と改称された江ノ電の終着駅、これが先ほどの地図の丸印の正体です。
現在のように江ノ電が横須賀線の鎌倉駅西口に乗り入れるのは、昭和24(1949)年のこと。
それまでは若宮大路の車道上に江ノ電鎌倉駅はありました。
二の鳥居付近だけもう少し詳しく、大正〜昭和初期の地図や資料を元に地図を作ってみました。
場所はおおよそのものです。
若宮大路を走る江ノ電は、この区間、車と並走する路面電車だったようです。
この当時走っていた車両の一つは、由比ヶ浜海浜公園に屋外展示されていて、車内に入ることもできます。レトロな内装がとても素敵です。
鎌倉駅があった場所はおそらくこの辺りと思われます。
左奥がホテルメトロポリタン鎌倉です。
世が世なら、まさに江ノ電を降りたらすぐの駅前のカフェです。
店内から江ノ電が見えたかもしれませんね。
そんな風に想像すると、見慣れた街並みもちょっと新鮮に見えてくるから不思議です。
皆さんも、「Café&Meal MUJI ホテルメトロポリタン鎌倉」近くにお越しになるときは、かつてあった鎌倉駅を想像しながら歩いてみてくださいね。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
月曜日のおたより カルベ
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