【京都山科】あさりにも旬がある｜鮮魚売場から

　春は鮮魚もどこか春色。鯛、メバル、鰆が並ぶなかで「今だったらあさりもおすすめ！」とお魚屋さんが教えてくれました。
   
　「あさりの旬は年に2回の春と秋。ちょうどそのころは産卵期を迎え、身がふくらみ栄養もあるとされているんです」

　いつでも手に入るイメージのあさりですが、ちゃんと旬があるんですね。
 
　あさりは味噌汁、パスタ、炊き込みごはんなど調理法が多く、食卓に登場することが多い食材。だからこそ、旬の味を楽しみたいものです。

　「やっぱり酒蒸しがおすすめやね。あさりの良い出汁が出るんです」

　お魚屋さんの話を聞いていたら、酒蒸しの気分になってきました。
　あさりといえば、手間がかかるのは砂抜き。もちろん、ゆっくり時間をかけてする砂抜きがいちばんだけど、今回はさっと調理したいときにも助かる“50度洗い”を試してみました。熱湯風呂に入れられるようなものだから、あさりには申し訳ない気持ちになるけれど……。
 
　お湯につけた途端に貝が開き、にょきにょきっと口をのばしました。こうしているとあさりも生き物なんだと改めてじいっと見入ってしまいます。しばらくおくと、たしかにお湯がにごって汚れや砂が出ているように見えますね。
　酒蒸しって少しの水と酒でつくる、素材の旨味そのままを味わえる料理。旬のものだからシンプルな調理で十分なんですよね。ふたを開けると、色鮮やかになったキャベツと潮の香りが。
 
　ふっくらしたあさりは噛むほどに旨味がにじみ出て、しゃきしゃきのキャベツの甘みとよく合います。白濁した出汁は殻をスプーン替わりにして。海を感じる塩気とあさりの旨味がからだに染みわたります。指でつまめるほど小さなからだのどこに、こんなに濃厚な旨味を持っているのか不思議でたまりません。
　煮汁はパンやパスタを合わせても良いかも。
 
　あさりには鉄分やタウリン、亜鉛などが豊富に含まれているとされ「海のサプリ」なんて呼ばれているそうですよ。
　今日のごはんは今が旬のあさりを主役にしてみませんか。


熊本県産『あさり貝（大）』100gあたり　消費税込 295円
愛知県産『春キャベツ』1/2個　消費税込 108円
（産地や値段などは変更する可能性があります）


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