【京都山科】今日のずっといい言葉|MUJI BOOKS

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2022/03/12

 無印良品 京都山科 MUJI BOOKS 店内で毎日 お伝えしている「今日のずっといい言葉」から、特に印象的だった言葉をお届けします。

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完全に相手を“理解”するのは不可能です。“理解する”と“通じる”は違うのです。わずかに引いた距離感で、ふわっと聴いてもらった方が“息が抜ける”=“通じる”のです。


『呼吸をふわっと整える』
著者:片山洋次郎
出版社:河出書房新社(2019,p.175)
消費税込み:1,430円
 
呼吸をふわっと整える

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 初めて会った人と他愛ない会話の中で、いつの間にか心の中に溜めていた不安な気持ちが、するっと言葉として自分の中から外へ放出され、それと同時に涙が止まらなくなった、という不思議な経験があります。

 時は就職氷河期の、まさに就職活動真っ只中の時期でした。“就活”の波に乗れないことよりも、やりたいことがわからない・見つからない自分に焦り、情けないと思う日々。
 そんな時にパリを詰め込んだようなかわいいお店が街にできました。ちょうどその頃の私はパリに魅せられていたこともあって、わくわくしながらお店に入ると、やわらかな雰囲気のにこにこしたお姉さんが1人で切り盛りされていました。
 「今、大学生?」からそれとない会話が始まり……。就職活動が上手くいかないことに話が及ぶと、不覚にも不安な気持ちがどっとこぼれて、それを聞いたお姉さんが「でもね、大丈夫だよ」と言ってくれて、そこから気持ちがいっきに緩んでしまったのか、涙がどんどん溢れてきたのでした。初対面の人の前で急に泣いてすみませんという私に、なんてことないようにほほえんでいたお姉さん。

 それまでこんな経験をしたことがなかったから、あれは何だったのだろう、と思ってはや20年。今回の今日のずっといい言葉に触れたとき、「ははあ、そういうことなんだな」と合点がいったのでした。
 あの涙の日を境に気持ちが切り替わったのか、やりたいことを探すより、ピンときたその直感を頼りに行動できるように。私らしい未来がそこから始まったんです。(トントン拍子に職が決まり、夢みたヨーロッパひとり旅にも行く力が自分に備わっていたなんて。)
 今でもそのお店はあの頃のままの雰囲気で街に佇んでいて、帰省した際は他愛ない話をしつつ元気をもらいに必ず寄ってしまいます。

 そうそう、本書には料理屋さんなんかのカウンターで横並びに座って(面と向かって、ではなく)一緒に食べたり飲んだりしながらの、向き合わない位置関係で話すともなく話し、聴くともなく聴く空気感が言葉以前のゆるい共感を生むともあります。なるほどな、と思う人も多いのではないでしょうか。

 ここに書いたことはちっとも呼吸と関係なさそうなことですが、本書にはリラックスの鍵は、息を吐き切ってから吸う直前の「間」にあるとし、呼吸と心身との結びつきについて、すっと入ってきやすい身近な言葉で興味深く書かれています。

 今日はぜひ、自分の呼吸へ意識を向けてみて下さいね。気持ちが乱れた時には、ちょっとひと呼吸を心がけて。

京都山科 MUJI BOOKS 担当 福岡

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#ふわっとは心地よい
#深い呼吸は気分がいい
#ホッとする息
#あくびはうつる
#笑いもうつる
#間が大事


・「今日のずっといい言葉」は、MUJI BOOKS で販売している書籍から、MUJI BOOKS スタッフがピックアップしています
 ・ご紹介の書籍は無印良品 京都山科 MUJI BOOKS 1Fでお取り扱いしています


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