【京都山科】保存食をつくろう｜イベントレポート

　「私のつくる保存食は、そのとき採れた旬のおいしさを止めるというイメージなんです」と話すのは、京都・出町柳を拠点に活動されている「保存食LAB」主宰の増本奈穂さん。
　5月、すこやか研究会では増本さんをお招きしてのライブキッチンイベントを行いました。今回はそのイベントの様子をお届けしますね。

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　感染症拡大の影響で様々な活動が制限されるようになってから約2年。京都山科では久しぶりに"食"を通じてお客さまと交流できるライブキッチンイベントを開催しました。
 
　伝統的な保存技術を現代の食卓に応用することを日々探究しながら、保存食を広める活動をされている増本さんに、ご自宅で使い切れなかったり、ついマンネリ化してしまういつもの野菜で、旬を余さずおいしくいただく保存食レシピをご紹介いただきました。
（おたよりでは増本さんを取材した記事を配信しております。詳しくはこちらをご覧ください。）

　「旬の食材のおいしさを留めてあげることも保存食だと考えています。そのために、お塩やお酢の力を借りるんです」

　教えていただく、「干し野菜（きゅうり、キャベツ）とキクラゲの餃子」と「アスパラのカレー出汁マリネ」は、事前に青果売場を歩き、きゅうりはどう？キャベツも余りがち……と一緒に相談したうえで、このイベントのためにつくっていただいたレシピなんですよ。
　まさかキャベツときゅうりが干し野菜になるなんて、お越しいただいたみなさんも驚きでした。天日で約1日干した野菜はこんな感じに。
 
　「野菜を無駄にしないように、がモットーなので、よく野菜を干したりするんです。今回はその応用で餃子のタネにしてみました。野菜の水気を絞る手間も省けます」

　干し野菜は100℃のオーブンで1時間ほどじっくり加熱することで、天日に干さなくてもつくれるそうですよ。これなら天気や場所を気にしなくてもつくれそう。
 
　アスパラのマリネはカレーうどんなどお出汁まで活用できる、まさに余さずいただけるレシピです。食材は青果売場でも販売のある「不揃いアスパラガス」を使っていただきましたよ（入荷日は不定期です。人気商品のため出会えたらラッキーです）。

　「穂先だけのものや軸が細いの太いのと混ざっていて、漬かり具合に違いが出るから楽しいですね」と増本さんもお墨付きです。
 
　イベントではレシピのコツから普段使っているお出汁や調味料など増本さんのお料理事情の話題も出て、なんだか台所を囲んでみんなでお話している気持ちになりました。
 
　気が付けばOpen MUJIに広がるのは、餃子の焼ける良い香り。みなさんと焼きたてをその場で試食しました。
 
　「味はもちろん、干し野菜の〝むぎゅ″〝キュッキュッ″とした歯ごたえがいままでにない餃子ですね」「きゅうりにもうま味があるって初めて気づきました」「水餃子もやってみたい」と大好評。

　アスパラのマリネもしゃくしゃくの食感を残しつつ、しっかり味が染みているので、お弁当のおかずにもいいかも。それに、ゆで卵を一緒に漬けることで、スパイスが効いたこれからの季節にもぴったりな保存食に。お客さまからもマンネリしがちな食材に、新しい風が吹いたとたくさんのお声をいただきました。

　家でもつくってみます、いつもInstagram見てます、と増本さんに話しかけるお客さま、香りに誘われてご試食くださったお客さま。「おいしい」を共有する久しぶりの空間に、京都山科の売場の中心には台所があること、みんなで「食」を囲むことの大切さを改めて感じます。
 
　昨日少しの手間をかけて仕込んでおいた保存食が、今日の私を助けてくれるように、飾らないお人柄と「この野菜たちをどう生かそうかと考えるのが楽しいんです」とお話しくださった増本さんの屈託のない笑顔は、一緒にいる私たちまで元気にしてくれました。

　今回の特別レシピは地下1階キッチンカウンターでも配布中です。お買いものの際はぜひ手に取ってみてくださいね。



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