みなさんは、“おいしい”りんごと言われて、どんなりんごを思い浮かべるでしょうか。
きっと、ヘタが取れていたり、キズやシミがあったり、色むらがあるりんごを思い浮かべたという方は少ないかと思います。
りんごに限ったことではありませんが、見た目の印象の悪さを理由に、「規格外」とされて流通しない農産物があります。
おいしいものが、見た目だけではじかれてしまうなんて、もったいない。
そんな想いから、無印良品では、今まで見た目を良くするために行われていた作業をやめたりんごの生産に挑戦しています。
ご協力いただいたのは、日本有数のりんごの産地として知られる青森県弘前市で、90年続く歴史ある成田農園さん。
このりんごの栽培のために、無印良品専用のりんご畑として3000平方メートルを確保していただきました。
通常、りんごを赤く色づかせる作業として、
果実の周りについている葉を摘み取る「葉採り」。
りんごがまんべんなく赤くなるように果実を回転させる「つる回し」。
そして、土の上に反射シートを敷き、果実の下からも日光をあてる作業が行われます。
収穫した後も、キズや色むらのありなしなどの外観での選別、サイズも7段階に分類するのだそうです。
“おいしそう”なイメージに沿う、真っ赤なきれいなりんごを育てるために、これだけの作業が行われていること、ご存知でしたか?
人口減少と高齢化が進む農業界。
おいしさとは直接関係のない、こういった作業が、今後ますます国内の農家さんの負担になっていくことが想像されます。
見た目が多少悪くても、おいしいものは、おいしい。
それを食べて実感してもらうこと。
私たち一人ひとりの中にある “おいしい”の基準を変えていくこと。
この取り組みが、これから先も国内で、安全でおいしい農産物が作り続けられることに、つながるのではないかと考えています。
数々の作業をやめて育ててみたりんごは、どれも個性豊かなかたち。
木に実るまま、太陽の光を浴びて、のびのび育ったサンふじりんごです。
通常通り流通するりんごも、今の基準では規格外とされてしまうりんごも、すべて「不揃いりんご」として販売します。
当店は大サイズのみの取り扱いで、1個税込み150円です。
中には一見、“おいしそう”には見えないりんごもあるかもしれません。
たとえば、このりんご。
ヘタのところが、奥深くまでえぐれて中が茶色くなっています。
なんとなく、手に取るのをためらってしまう見た目ではないでしょうか。
これは「軸割れ」といい、りんごの成長に皮が追い付かない場合にできるものなのだそう。
割れがあるからといって、中に細菌が入るわけでも、傷んでいるわけでもありません。
切ってみると、おもしろい断面をしていました。
食べてみると、シャキッとした歯ごたえに、たっぷりの果汁。
甘さと酸味のバランスもよく、みずみずしく、とってもおいしいりんごでした!
「不揃いりんご」は、レジ前で販売中です!
無くなり次第終了となります。
不揃いのおいしさ、ぜひ確かめてみていただきたいです。
無印良品 野々市明倫通り