【野々市明倫通り】『丸大豆本醸造醤油 天祐』の販売が始まりました。

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2022/07/11

こんにちは。無印良品 野々市明倫通りです。
 
6月から販売を開始した中初商店様の「丸大豆本醸造醤油 天祐」醤油のご紹介です。
自然が持つ力に逆らわず、寄り添いながらゆっくりと時間をかけて造られる醤油。
 
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中初商店は金沢市野町にある明治29創業の老舗の味噌・醤油製造所です。
天祐とは、天の助け、天の恵みなどの意味があるそうです。
 
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原材料は、大豆、小麦、塩のみ。その年によって地域は異なるものの、国産の大豆にこだわって造られています。見学させていただいた時は、大豆は富山県産、小麦は福井県産を使い仕込みをされていました。
 
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仕込み工程の一つ一つが自然の力を借りながら行われています。
小麦は生の状態は実が細くなっていますが、火を通すことでぷっくりと膨らんで丸くなります、それをミルで粉砕していきます。殻のままだと酵素が働きにくいために粉砕して、でんぷん質やタンパク質が分解しやすい状態にするそうです。
そうすることで、お醤油の中に成分が溶け出して、味に変わっていきます。
 
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粉砕すると粉末も出てきますが、この粉は、麹を作る時に雑菌を防止する働きをしてくれます。大豆は濡れた状態だと雑菌が生えやすくなりますが、粉末でコーティングすることで他の雑菌が生育し難くなるそうです。
 
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一般的にお醤油に使われる大豆は、コストと手間と時間をなるべくかけないように脱脂加工大豆で作られ、産地も外国産が多く国産の丸大豆を使われているお醤油はかなり少なくなっています。

脱脂加工大豆で作られるお醤油は、すっきり、はっきりとした味わいなのに対し、丸大豆で作られるお醤油は、まろやかな味わいが特徴です。
 
大豆は釜の中で圧力をかけて蒸し煮していきます。それを冷ましてから炒った小麦を混ぜ合わされていきます。
 
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大豆のいい香りが充満している麹室(こうじむろ)の中では、蒸された大豆が一面に広がっていました。麹室とは、麹菌を繁殖させるために温度・湿度管理された部屋のこと。
 
最初は豆本来の大豆色をしていますが、麹菌が繁殖することで段々と白っぽくなっていきます。
蒸された大豆と炒った小麦に種麹が加えられ、麹が育成されてくると真っ白になりますが、更に育成が進んでいくと、今度は表面に胞子がつき、緑色に変化するそうです。
 
麹菌をしっかり寝かせて、酵素を充分生成した状態まで3日間かけて育成させます。そうすることで、麹菌がタンパク質分解酵素やでんぷん分解酵素を作ってくれます。まさに、自然醗酵の力を感じますね。
 
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育成させた麹を塩水が入ったタンクに入れていきます。この醤油用麹造りを5回(15日間)繰り返し、全体を混ぜると一本の諸味が出来ます。
 
待つことが多いお醤油作り。
実はここが1番時間のかかる工程です。見学させていただいた時は、1年前と2年前に仕込まれたもの。「丸大豆本醸造醤油 天祐」は3年熟成のお醤油なので、ここからさらに1年間、ゆっくり熟成され、まろやかで優しいお醤油が出来上がります。
 
創業から126年経ちますが、現代ほど流通手段がなかった時代は、地域ごとにお醤油もお味噌も作られていて、地域の方が買ったり行商に行ったりして生業としていたそうです。

「ずっとやってきたことが高度経済成長で少し仕組みが乱れたところがあって、今は大量廃棄問題やSGDsに関わってくるなど、逆に戻っているところもありますね。」と中谷さん。
 
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中初商店では、「丸大豆本醸造醤油 天祐」のうち、ビンに入っているお醤油を回収する取り組みを行なっています。

昔はほとんどのビンが回収で返ってきましたが、時代と共にだんだん減ってきたそうです。それでも、最近はちょっとずつ増えてきていて、皆さんの考え方も変化してきていることを感じるそうです。
 
無印良品 野々市明倫通りでも、使用後のビン回収を行っております。回収されたビンは、中初商店様へ渡り、殺菌洗浄された後、新しいお醤油ビンとして再利用されます。
捨てる選択ではなく、また使う選択をしてみませんか?
 
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自然と向き合い、自然が持つ力を最大限に生かしながら造られ続けている伝統の味です。
ぜひ、ご賞味ください。



中初商店
住所:石川県金沢市野町1丁目3−58
電話:076−241−4056
 
 
無印良品 野々市明倫通り