私は、旅に出るとき、『パスポートメモ』を携帯します。どこにでもしのばせることのできるサイズと、薄さ、そして表紙の質感が好きです。
それは、旅に出る前の計画を立てるときから、ページには宿の住所や電話番号、訪れたい場所や、食べたいもの、見たいものなど、調べながら興味が沸いたことをどんどん書き込んでいき、自分だけの旅のしおりを作ります。縦でも横でも書き込みができるので、自分好みに楽しくアレンジができます。
旅の途中では、スケジュールの確認をしたり、美術館のチケットや、美味しい料理店の名刺を挟んだりします。その土地の方言や、聞いたことのない食材、料理について教えてもらったことも、すぐに書き留めることができるので便利です。そして宿につき眠るまえに、一日を振り返って、ひとこと日記を書きます。
今の時代、インターネットを使えば、常に新しい情報が手に入ります。すぐに誰かと共有できる環境が整っていることは、知らない地では安心感もあります。ですが、私は「旅=非日常」だからこそ、普段使う便利な機器は最低限に控え、自分の五感に素直になろうと心がけています。自分の中から出てくる言葉を、ゆっくりと文字に起こし、ページが埋まっていく様は日常ではなかなか味わえない、旅ならではの醍醐味でもあります。
旅が終わったら、本棚にストックしておき、いつでも見返すことができます。今までにストックしたメモは13冊。次もこの『パスポートメモ』を持って、素敵な旅に出たいと思います。
無印良品 難波